〈とはいえ、高級レストランに行ったり、プレゼントを贈ったりして祝うのではなく、「今日は誕生日だね、おめでとう」と伝えるくらいなのだとか。無理しないことが、長くルールを守れる秘訣なのかもしれない。〉
◆言いたいことは言う。だから不満はナシ!
〈ところで、これだけ夫婦のルールを理解し合っているなら、けんかはしないのだろうか?〉
結城:しょっちゅうしていますよ。お互い頑固だから一歩も譲りません(笑い)。最近けんかの種になるのは、庭の木の剪定についてかな。あの枝を切ろうかとか、何を植えようかとか…。意見が食い違って、カチンとくることもあるけれど、お互いに言い返すから、不満が心に残らないんです。
〈言いたいことを言い合い、しっかりコミュニケーションを取る。これも、ルールというには、当たり前のことになっているようだ。さらに最近、夫として自分に課したルールがあるという。〉
岩城:おれはママの存在に慣れて、そのことで厚かましくならないようにしているよ。だって女性は世の中にたくさんいても、ママは世界でたった1人。やっぱり誰よりも大切だよ。一緒に年を取ってきたからこそ、いずれ来る“ゴール”の時に、一緒にいたいからね。今、熟年離婚が増えているというけれど、おれはもったいないと思う。そんなに長い間、共に過ごしてきた人って、世界中探しても奥さんしかいないわけだから。
──岩城・結城夫妻のルールはどれも、“決めた”というより、相手とこれからも一緒に生きていくために、自然と定着したもの。長く夫婦を続けるのは、結婚や離婚することよりも、はるかに難しい。そのためにルールを設けるのは名案だが、そこには、お互いへの思いやりがなければ意味がないのだ。
※女性セブン2018年6月7日号