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2018.05.30 07:00  週刊ポスト

西武の「山賊打線」 荒々しさと緻密さが融合した強さ

トリプルスリーを目指す主将・浅村栄斗


「打ちまくっている印象が強いかもしれませんが、爆発的な得点力を支えているのは四球でも出塁するとか、次の塁を積極的に狙うといった意識なんです。昨年、辻監督が就任してから、その意識が徹底されたように思います」

 チーム四球数はリーグ1位の169個。盗塁といえば、今季から井口資仁新監督が就任した千葉ロッテの走塁改革が注目を集めているが、ライオンズはそのロッテ(46個)をも上回る49盗塁を記録している(12球団の平均盗塁数は29個)。

 西武黄金時代(1982~1994年。4連覇・5連覇を含む11度のリーグ優勝、8度の日本一)を支えた辻監督は、「巧い選手」の代名詞のような存在だった。隙のない守備、そつのない打撃、積極的な走塁……現代版の山賊打線は、太平洋クラブ時代をルーツとする荒々しさ、緻密で技巧的な「辻野球」が融合したハイブリッドスタイルなのだ。

「かつての山賊打線のメンバーでもある土井正博さんが打撃コーチを務めていた時代から、フルスイングは徹底されていました。ただ現在はその伝統を引き継ぎつつも、1~3番、そして6番以降のバッターには、つなぎの意識が芽生えてきている。そういう役割が明確な点もこの打線の強みでしょうね」(前出・中島氏)

 いよいよ今週から「日本生命セ・パ交流戦」が始まる。嶋コーチは、「普段とは違う投手との対戦ですし、勝負事なので何とも言えないんですが」と謙遜しつつも、「ファンの方たちには強い西武打線をお見せしたいですね」と自信を覗かせた。

 豪快なフルスイングと、緻密で積極的な走塁から繰り出される圧倒的な攻撃力。お行儀のいいセ・リーグの各チームは、進化した“山賊”たちの破壊力に度肝を抜かれるに違いない。

■撮影/藤岡雅樹、取材・文/田中周治

※週刊ポスト2018年6月8日号

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