そんな成長著しいライオンズの若手選手の中でも、特に目覚ましい飛躍を遂げているのが山川だ。
昨季後半から4番に定着し、今季は本塁打と打点でリーグトップを走る若き主砲(5月22日現在、以下同)。シーズン安打の日本記録を持つ秋山翔吾が1番で引っ張り、昨年の新人王の2番・源田壮亮、キャプテンの3番・浅村栄斗と続く破壊力抜群の現代版“山賊打線”でも、4番打者として圧倒的な存在感を見せている。
長年ライオンズを取材し続けるスポーツジャーナリストの中島大輔氏によると、山川の進歩はスイングスピードに表われているという。
「オフから取り組んできた練習が実を結び、バットスピードが格段にアップしています。実はオープン戦では全く結果が出なかったのですが、それは昨年までと同じタイミングで振っていたから。シーズンに入ってからは投球を引き付けるように意識し、スイングのタイミングを微調整したそうです」
◆かつての豪快さに融合した緻密で技巧的な「辻野球」
1975年の「元祖」がそうだったように、山賊打線は破壊力抜群の打線が売り。しかし、チームのオフィシャルブックなどで執筆しているスポーツライターの上岡真里江氏は、少し違った見方を示す。“現代版”山賊打線の最大の長所は、打力とは別のところにあると分析する。