ライフ

脳梗塞の後遺症に苦しむ45歳男性 妻への罪悪感に悩む日々

後遺症は恐ろしい

 脳梗塞の後遺症は、それが起きた脳の部位ごとに症状が異なる。左耳上の「頭頂葉」の血管が脳梗塞になった場合は、喋ったり、手を動かしたりすることに障害が残る。脳神経外科医の工藤千秋氏が解説する。

「頭頂葉の脳梗塞でいえば、典型的なのは長嶋茂雄さんのケースです。長嶋さんは頭頂葉に加え、耳の奥の側頭葉の血管にも脳梗塞が発生したため、言語障害と右半身の手足に運動障害が発生してしまいました」

 長嶋氏と同様の後遺症に苦しむTさん(45)が感じた、利き手が思うように動かないもどかしさは、まさに当人しか分かり得ない。

「好物のラーメンやそばをフォークで食べることが、こんなに悲しいことだったとは思わなかった。箸で持ち上げて啜りたいのに、手が思うように使えないから旨く感じなくなる。ラーメン屋でいい年した大人が、“フォークをください”と頼むことに耐えられなくなって、家でしか麺類を食べなくなりました」

 しかし、それが新たな“罪悪感”を招いてしまった。

「具や汁をそこら中にこぼして妻に気を遣わせるし、2階の書斎へ行くために階段を上がる時にも毎回、妻の肩を借りるようになってしまった。パートに出かけるときの妻の笑顔は、私の世話から解放される束の間の喜びの表情なんじゃないかと思うことがあります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在、闘病中の西川史子(写真は2009年)
《「ありがとう」を最後に途絶えたLINE》脳出血でリハビリ中の西川史子、クリニックの同僚が明かした当時の様子「以前のような感じでは…」前を向く静かな暮らし
NEWSポストセブン
ファッションの面でも注目を集めている愛子さま(2025年5月18日、撮影/JMPA)
《公務でのご活躍続く》愛子さまのファッションに感じられる“母・雅子さまへのあこがれ”  フェミニン要素で“らしさ”もプラス
NEWSポストセブン
Mrs.GREEN APPLEの冠番組『テレビ×ミセス』(TBS系)が放送される(公式HPより)
《ミセスがテレビに進出!》冠番組がプライム帯で放送される3つの必然性 今後、バラエティ進出が拡大する可能性も
NEWSポストセブン
5月20日の公務での佳子さま(時事通信フォト)
《第一子出産で注目》佳子さま、眞子さんの“お下がりファッション”ブランドは「ご家族で愛用」背景にあった母・紀子さまの影響【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン