●秀吉の浮気を信長に密告──ねね
福島正則の主・秀吉も、正妻のねね(北政所)に頭が上がらなかった。ねねといえば秀吉の出世を支えた“賢妻”だが、夫を震え上がらせたこともしばしばだった。
秀吉が織田家の家臣として長浜城主を務めていた頃、夫の浮気を知ったねねは、なんと織田信長に面会してその事実を密告する。“上司”に浮気をチクられるなんて、秀吉にとっては悪夢だったろう。
その面会の後、信長は、「禿ネズミ(秀吉)にはもったいない妻なので焼き餅をやかないように。この手紙は羽柴(秀吉)にも見せること」
と、ねねに配慮のこもった手紙を出している。しかし、気の短い信長だけに、一歩間違えばどうなっていたことか……。
※週刊ポスト2018年6月22日号