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清王朝・乾隆帝のものと見られる球体の磁器が5億円で落札

お宝がオークションに登場(AFP=時事)

 フランス中部の都市、モンバゾンの最高級ホテル、シャトーダルティニーで、中国清王朝の第6代皇帝、乾隆帝(1711~1799年)のものとみられる磁器がオークションにかけられ、約5億円で競り落とされたことが分かった。この磁器は両面が白磁で満月のように丸く平らで、その側面の厚みのある縁は一面が青磁で作られ、その上部に短い円筒形の注ぎ口部分が付けられ、その両側には半円形の細い取っ手が加えられている。

 通常の壺は全体が花瓶のようにふっくらとした球体を描いているが、これは両側が平面状になっていることや、両面の白磁と側面の青磁がくっきりと分かれていながら、しっかりと組み合わされており、極めて珍しい形状といえる。

 これと同じ磁器は、これまで、もう一つしか存在を確認されておらず、それは2016年に香港のサザビーズでオークションにかけられ、220万ドル(約2億7000万円)で競り落とされている。フランスのオークションでは、その約2倍の値がついたことになる。

 この高値がついた磁器はもともと、フランス海軍の士官が清朝末期のどさくさに紛れてフランスに持ち帰ってきたものとみられる。

 オークションは仏競売会社ルイヤック社が主催したもので、極めて珍しい乾隆帝の磁器が出品されたことから、多くの中国人バイヤーが参加した。気になるのは競り落とした人物だが、その人はオークション会場には現れず、電話で会場の代理人に指示を出しており、パリに住んでいること以外は分かっていない。

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