国内

松戸女児殺害呆然の初公判 被告が遺族に叫んだ「謝罪」

罪状をすべて否定した澁谷恭正被告(写真/共同通信)

 昨年3月、千葉県松戸市で9才女児が殺害された事件で、逮捕された澁谷恭正被告(47才)の初公判が始まった。しかし、被告は罪状をすべて否認した上、遺族の神経を逆なでする発言に終始。裁判官が呆れ、傍聴席がどよめいた発言の数々をここに再現する。

 黒のジャージーに迷彩柄のズボン。天然パーマのかかった白髪は、肩まで伸びている。

「その日は子供を車で送ったあと、キャンピングカーの中で釣りの準備をして、夜まで釣りの下見をしていました」

 凄惨な犯行を全否定する言葉から始まった被告人の返答に、傍聴席が静まり返る。その後、男の口から出る言葉は、不可解極まるものばかりだった──。

 昨年3月24日、千葉県松戸市に住むレェ・ティ・ニャット・リンちゃん(当時9才)が殺害された。この日の朝、リンちゃんはいつものように大好きな小学校に登校した。しかし学校に着く前に何者かにさらわれ、2日後、自宅から10km以上離れた我孫子市内の用水路で遺体となって発見された。

 4月14日、殺人と死体遺棄容疑で逮捕されたのは、リンちゃんの通う小学校の保護者会会長を務める澁谷被告だった。

 悪夢の事件から1年3か月。6月3日、千葉地裁で澁谷被告の初公判が始まった。同14日に行われた初めての被告人質問。弁護士から体調について尋ねられた澁谷被告は、「糖尿病による眼底出血で両目が見えにくく、腎臓と肝臓が通常の人の20~30%しか機能していない」と、満身創痍であることを告白。入廷時も足を引きずるように歩いていた。

 この日、事件当日の行動を弁護士に問われた澁谷被告は次のように答えた。

「キャンピングカーで釣り竿やリールの作動確認を行いました。(もう1台所有する)軽自動車から45~50cm四方のコンテナボックスをキャンピングカーに移動しました。中には俗にいう大人のおもちゃが入っていました」

 澁谷被告の言う“大人のおもちゃ”とは肛門や性器に挿入する製品や手錠と足錠が結束されたようなSMグッズなど複数におよぶ。

 リンちゃんは遺体の状況から殺害前に暴行を受けており、軽自動車のドアステップや運転席の下など、車内8か所で発見された血痕は、DNA鑑定の結果、リンちゃんのものであることが判明している。そしてリンちゃんの遺体からは澁谷被告の唾液まで検出されているのだ。

 しかし、これらに関して澁谷被告は「自分はやっていません」「わかりません」と答えるのみ。弁護士からの一連の質問が終わると被告は法廷にいる全員を唖然とさせる行動に出た。

 当日、一般の傍聴人の目に触れないよう、部屋の一画に設けられた衝立の向こうでリンちゃんの遺族も傍聴していた。澁谷被告はおもむろに振り返り、衝立に向かって涙声でこう叫んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン