芸能

綾野剛も「宣伝不可能」 型破りな時代劇映画の見どころ 

綾野剛主演で映画化された『パンク侍、斬られて候』(公式HPより)

 映画『パンク侍、斬られて候』は、芥川賞作家・町田康さんの同名小説が原作。浪人の掛十之進が、自らがまいた種によって生まれる騒動に七転八倒する、というストーリー。型破りすぎる内容で、6月30日の公開を前に注目を集める同作の見どころについて、一足先に試写会で観てきたコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 そんなわけでいよいよ公開が近づいた映画『パンク侍、斬られて候』。原作・町田康、脚本・宮藤官九郎、監督・石井岳龍、主題歌がセックス・ピストルズ。でもって、主演が綾野剛。事前に公開されたモノクロの綾野パンク侍ビジュアルもタダモノではない雰囲気ぷんぷんで、こりゃ、大変なことになると思いつつ、試写で作品を見たら、やっぱり大変なことになっていた。

 物語は、ある街道にひとりの浪人が現れ、盲目の娘と物乞いをする巡礼のおじいさんを突然、斬りつけるところから始まる。その浪人こそが掛十之進(綾野剛)。「超人的剣客なんです私」と言い放つ掛は、「この者たちは、いずれこの土地に恐るべき災いをもたらす」と言い出すのだが…。この事件をきっかけに、掛の前には邪魔者は「ガンガン弾圧すりゃいいんだよ!」と言い切る「超キレモノ!」筆頭家老内藤(豊川悦司)はじめ、「超ゆとり!」の若侍・幕暮(染谷将太)、「超カリスマ!」の茶山半郎(浅野忠信)、「超マドンナ!」のろん(北川景子)ら濃すぎるキャラが次々登場。ついには「人間VS人間VS猿」の壮絶な戦いに発展していく…つっても何がなんだかわかりませんね。

 なにしろ、主演の綾野剛本人が「脳内破壊映画」とか「宣伝不可能」とか言ってるし。その横で染谷将太は「撮影の半分くらいはふんどし一丁だった」「毎晩寝られなかった」と喜んでいるのか、戸惑っているのかよくわからぬ表情。北川景子は猿を抱くシーンでとても癒され「猿は女性に響く」とにこにこ。かつてこれほど、出演者の言ってることにまとまりがない作品があったかしらん。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト