──以前、イングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスでプレーしてみたいと言っていたこともあったと思います。(注:クリスタル・パレスはロンドンに本拠を置く中堅クラブで、熱いサポーターを持ち、スタジアムが盛り上がることでも知られている)
小林:それはロンドンのクラブだし、たとえば(同じロンドンの名門)チェルシーに行きたいっていうよりも行けそうじゃないですか(笑)。それにダイレクトでチェルシーに移籍するのは難しいけど、パレスで活躍すればチェルシーに行けるかもしれない。対戦した試合でよかった選手が、翌年にそのクラブに行くってことはよくあることですから。
──移籍する場合は当然、試合に出られることが前提になる。
小林:いや、オレは出られるか出られないかよりも、そのクラブが好きならどんなに過酷な道でも行きたいですけどね。だから、オレこの前帰国した際に空港で取材受けた時も「(移籍するなら)選べるなかで1番のビッグクラブに行く」って言ったんですよ。みなさんが知っているクラブのユニフォームを着られるように頑張りたい。ちょっとクラブのレベルを下げたら、すぐに試合に出られそうとかオレには関係ない。
──そういう発想の選手は珍しい。
小林:だってビッグクラブに行って出られなかったら、また半年後に出場機会を求めて移籍すればいいじゃないですか。そもそもW杯に出てそこで勝負したいのに、レベルを下げてW杯出場を目指すって単純にどうなのかって思いません? オレはちょっと違うと思うし、どうせならレベルの高い中でもがきたい。
──今回の日本代表がそうだったように、監督が代わると選手の好みも変わり、チームも変わります。どんな監督と仕事をしてみたいとかはありますか。
小林:オレは外国人監督の方がいいですかね。たとえばブラジル人とか。いまはジダンだってフリーですよね(笑)。でも、自分がその下でプレーしてみたいと思う監督って、結局自分が知ってる監督じゃないですか。だから、出会ったことのないタイプの監督は興味あります。ただ、日本代表についていえば、監督が誰であろうとアジアカップはぶっちぎりで勝たないとダメじゃないですか。アジアのレベルも上がっていると思うので、相当厳しいと思うけど。
それでも、オレは勝てる気がする。去年、日本代表がブラジルとやったときにあたふたしちゃった部分もありましたが、全員が心も体もベストコンディションならもっとやれると思うんです。もちろん、ブラジルはすごいけど、日本人もすごい。オレは日本人であることに誇りを持っています。勤勉で、頭もいい。身体能力は(世界の強豪に比べて)劣るかもしれないけど、絶対何かでカバーできると思うんです。だってオレ、オランダに行ったことで、自分がこんなにマジメなんだってわかりましたから。小林祐希が、チーム一マジメなんですよ(笑)。