国内

新幹線殺傷事件 「温度差」感じさせる容疑者親族の発言

日本中を戦慄させた新幹線殺傷事件の容疑者、小島一朗(写真/共同通信社)

「あなたに話しても、あの子の刑が軽くなるわけじゃないでしょ。警察の方でも『おばあちゃんはしゃべりすぎるからいかん』って言われてるのよ。私が怒られちゃうのよね」

 名鉄名古屋本線の美合駅から車で5分ほど。愛知県岡崎市のはずれにある一戸建てで、初老の女性がまるで世間話でもするかのように答える。日本中を戦慄させた新幹線殺傷事件の容疑者、小島一朗(22才)の祖母にして、彼と養子縁組を交わし、事件直前まで同居していた女性(81才)である。

「昨日、一昨日と2日間警察に行ってね。忙しいんですよ。ごめんねー」

 そう言いながら、玄関に戻っていく祖母の姿に、悲壮感は感じられない。

 殺人容疑で小島容疑者が逮捕されて3週間近く。この間、鉈と果物ナイフで小島容疑者が無差別に人を襲った様子や、血まみれの車中が克明に報じられてきた。

 車内で女性を守ろうとして殺害された会社員男性、梅田耕太郎さん(享年38)の葬儀も終わり、6月18日には妻がコメントを発表。

《夫は、私にとって、世界一優しい夫でした。二人とも旅行が好きでしたので、私が行きたいところを考えて、夫が旅行プランを作って、色々なところに出かけました。いつも家事を積極的に手伝ってくれ、私の仕事が忙しい時には、自分の仕事が忙しくても、ご飯を作って応援してくれました。たくさんの優しさと愛をありがとう、安らかに眠ってくださいと伝えたいです。夫を突然失った悲しみが癒えることはありません。このような悲しい事件が二度と起こらない社会になることを強く願います》

 絶望の底で苦しみながら、気丈にも事件をきっかけに社会が変わることを祈る妻のこの言葉は、多くの人々の胸を打った。

 一方、小島容疑者の親族は、冒頭の祖母の応対に代表されるように、事件の深刻さや被害者の悲しみとは“温度差”を感じさせる発言に終始している。小島容疑者とは15才から関係が途絶しているという父親はその傾向が顕著で、

「15才で家を出て、それ以来私は彼と会っていませんので記憶がちょっと曖昧なところがあります」
「幼い頃から、人の言うことを言葉通りにしか理解できなかった。変わった子だった」
「一朗くんとは今は家族ではない。中学生の頃からほとんど会話はなく、関係は断絶していた」
「本人に聞いてください」

 と、報道陣に対して他人事のような発言を連発していた。

 こうした家族の言葉に対し、ネット上では怒りの声が噴出。

《これが親と言えるのか》
《よくここまで無関心でいられるな》
《ある種の育児放棄だ》

 といった苛烈なバッシングが溢れた。

※女性セブン2018年7月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン