だが、いくら健康にいいと奨められても、手を出しにくいという声があるのも事実だ。パサパサしていたり、ぬか臭さが気になったりと、“白米より不味い”という印象は拭えない。だが、『玄米食完全マニュアル』(創森社刊)の著者で薬剤師の境野米子氏はこういう。
「ほんの少し工夫をするだけで、玄米の味は格段に上がります。白米にはないプチプチとした食感を生かした調理をすれば、白米よりも美味しく食べられます」
◆研ぎすぎてはいけない
玄米食が美味しくない理由のひとつであるパサパサした食感は、玄米を長い時間(3時間~1晩)水に浸しておくことで解消できる。
「長時間水に漬けることで、玄米の奥まで水が浸透し、もっちりと炊きあがります。また、最新の炊飯器には浸し不要の“玄米炊き”コースを備えているタイプもあります。玄米を炊く際には、白米のように研いでしまうと栄養素が失われてしまう可能性があるので、軽くゆすぐ程度で十分です」(境野氏)
また、玄米を炒ってから炊けば、浸し時間を短縮でき、ぬか臭さも抜ける。
「炒ることで玄米の表面を覆う皮に亀裂が入り、水が浸透しやすくなります。香ばしさも増して、普通に炊くのとはまた違う食感が味わえます」