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吉田沙保里 「母校レスリング部監督就任」は現実的なのか

去就が注目される吉田沙保里(時事通信フォト)

 女子レスリングで何人もの五輪金メダリストを育ててきた栄和人氏が、所属の至学館大学レスリング部監督を解任されてから、もうすぐ1ヶ月が経つ。監督解任の発表会見で、谷岡郁子・至学館大学学長が「吉田沙保里の可能性もある」と話したように、五輪3連覇で国民栄誉賞も受賞した吉田沙保里が新監督となるプランも囁かれるが、いまも方向性は見えてこない。もし監督就任となった場合、吉田はいくつかの大きな決断を迫られることになる。

「2020年東京五輪は目指しません、と宣言することになる」とみるのは、スポーツ紙記者。選手兼監督として五輪を目指すのは現実的ではないため、選手は引退だと明言しないとならないだろう。

「もし東京五輪を目指すなら、レスリングの東京五輪予選は今年12月の全日本選手権から始まります。その全日本選手権には、国内の大会で上位に入賞した選手だけに出場資格があります。伊調馨選手へのパワハラ問題が浮上したことで、代表選考をこれまで以上に公明正大に行わなくてはならなくなっているレスリング協会としては、2016年リオデジャネイロ五輪決勝戦を最後に試合に出ていない吉田さんを、特別推薦で出場可能にすることはなさそうです。だから10月の女子オープン選手権に出るのかを誰もが気にしています。それは、伊調さんも同じなんですが」

 女子オープン選手権は、その名前のとおりオープン参加ができるため、選手であれば誰でも参加できる大会だ。パワハラ騒動の鎮静化とともに日本体育大学で練習を再開している伊調には、10月に静岡で行われる女子オープン選手権への出場が検討されていると報じられた。これは、東京五輪を目指すのであれば、そこで試合に復帰してから全日本選手権に挑戦するのが道筋だと考えられているからだ。試合から遠ざかっているという意味では吉田も同じ条件にある。

 ただ、女子レスリングの選手はなぜか「引退宣言」を避ける。

「かつて吉田と代表争いを繰り返し、今はダルビッシュ有と結婚した山本聖子も、その姉の山本美憂も、浜口京子も、誰も『引退』と言わないんですよ。ものすごく抵抗感があるんでしょうね。もし新監督就任して試合にでないことになっても、引退宣言はしないかもしれない」(前出のスポーツ紙記者)

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