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2人の彼氏を夫に認められた51才妻 「夫が優しくなりました」

婚外恋愛には配偶者公認の例も(写真/アフロ)

 不倫報道が世を賑わせて久しい。本誌・女性セブンで連載中の『恋する母たち』で柴門ふみさんが描くように、最近は既婚女性の不倫も増えている。だが、昭和の時代は「妻の貞操」は絶対だった。1977年に放送された山田太一さん脚本の名ドラマ『岸辺のアルバム』(TBS系)では、八千草薫(87才)に「不倫する妻」役をキャスティングしたところ、最初はこう断られたという。

「人妻が浮気するなんてことは、ありえない。リアリティーがないから嫌です」

 それほど婚外恋愛は「普通」ではなかったのだ。

 ドラマ放送から40年余り。時代は大きく変わった。それを象徴するのが、北海道在住でスピリチュアルコーチとして働く珠帆美汐さん(51才)だ。彼女には、結婚して26年になる夫(59才)と3人の子供(24才、17才、10才)に加えて、2人の彼氏(39才、37才)がいる。

 珠帆さんと夫は旅行先の韓国で出会い、1992年に結婚。だが、当初から諍いが絶えなかった。

「私は芸術を好みますが、彼は大工で職人肌。もともと性格が正反対で、育った環境も違い、結婚当初からけんかばかりで夫婦関係は最悪でした。しかも、結婚後に北海道に移り住んだら、田舎生活で友達がおらず、おまけにすぐ子供ができてしまった。マリッジブルーとマタニティーブルーがダブルで押し寄せました」(珠帆さん)

 出産後は育児に追われて、ストレスが増すばかり。

「一生この人としか手をつないじゃいけないの」と思いつめた珠帆さんが離婚を口にしても、夫は首を縦に振らない。孤独感や怒りが募り、結婚から5年ほどで珠帆さんは、最初の不倫の恋に落ち、その後も複数回の不倫を重ねた。しかし、コソコソと隠れて不倫することに耐えられず、改めて離婚を決意した珠帆さんは6年ほど前、夫に「このまま年をとっていくなんて耐えられません。新しい恋を探したいので離婚してください」と告げる。

「すると夫は『結婚したまま彼氏をつくればいいじゃないか』と言ったんです。私は夫と離婚するつもりで告白したのに、思いも寄らぬ『不倫OK宣言』が返ってきて、本当にびっくりしました」

◆デートの時は明るく声をかける

 婚外恋愛が夫公認となった珠帆さんは、さっそく彼氏の存在を夫に「報告」した。

「認めたとはいえショックは大きかったようで、『夜は眠れず、食事も喉を通らない。つらいから一度彼と別れてほしい』と言われました。夫は1年後に再度話し合うことを求めて、『この1年でいい夫に変わる努力をするから、それを見てから決めてほしい』と言ったので、私はいったん彼氏と別れました」

 迎えた1年後に夫と話し合った末、珠帆さんは改めて彼との交際を再開した。

 現在はこの男性とともに、フェイスブックで知り合った37才男性ともつきあう珠帆さん。婚外恋愛のルールは、彼氏とのデートは事前に報告することと、自宅ベッドのシーツを替えることだけだ。

 彼氏とデートする時は、「行ってくるね~」と明るく夫に声をかけて家を出る。彼氏が家に来て、夫や子供と食事をともにすることもある。

「子供たちにも彼氏のことを紹介しています。私も全然隠さないし、子供の目の前で夫と彼氏の話をすることもある。彼氏ができたことで私を失う恐怖に目覚めたのか、夫はすごく優しくなりました。家庭が明るくなったので、子供にもいい影響を与えていると思います」(珠帆さん)

 婚外恋愛は快適そのものだと珠帆さんが主張する。

「結婚はあまり凝り固まると牢獄みたいになっちゃう。仕事だって転職が当たり前の時代なのに、結婚だけ自由がないのはおかしな話です。最初に夫婦関係で悩んでいた時は結婚継続か離婚の2択しかなかったけど、夫から婚外恋愛を提案してもらって助かりました。私だけではなく夫にも彼女がいたことはありますし、夫婦関係も今がいちばん良好です。このまま夫と添い遂げることになるかなと思います」

◆婚外恋愛を否定しないことのメリット

 妻が夫の婚外恋愛を認めているケースもある。

「今は妻のほかに恋人が2人。ぼくが好きな人なら10人以上います」

 と語るのは、長野県で編集者として働く文月煉さん(35才)。

 大学時代の同級生と29才の時に結婚した文月さんは、結婚直後に妻の仕事の関係でひとり暮らしをすることになった。その時期、雑誌やネットで「お互いに傷つけなければ複数の恋人がいていい」という主張を読み、「自分のことだ」と思った。

「ぼくと妻はもともと縛り合いたくないタイプで、妻と離れて暮らす時も『お互い浮気してもいいよね』と話していたんです。それで妻に『こういう考え方はどう?』って聞いたら『いいんじゃないかな』と言われたので、さっそく新しい恋人をつくって、『恋人ができたよ』と報告したら、びっくりしていました(笑い)」

 そう話す文月さんの横で笑いながら妻が言う。

「浮気くらいは想定内でしたが、まさか持続的につきあう恋人ができるとは思っていませんでした」

 その後、仕事の都合で妻が戻ってきて、夫婦は同居を再開。だがその家には文月さんの複数の恋人がたびたび遊びに来た。その時はみんなで仲よくご飯をつくり、夜になると妻、夫、恋人で川の字になって寝ることもあった。

 婚外恋愛を否定しないことのメリットは「自分の気持ちに嘘をつかなくていいこと」と文月さん。

「人を好きになるのは幸せなことなのに、それを押し殺すのはすごく苦しい。それに好きな人を独占して鳥かごに閉じ込めておきたいという人がいるけど、ぼくは相手を独占するのではなく、いろんな可能性を持たせてあげたい。妻は今のところ恋人はいないようですが、いつか好きな人ができたら、祝福するつもりですよ」(文月さん)

 こうした夫の考えを、妻は納得して受け入れている。

「私自身も煉さんの恋人はだいたい知っていて、みんなと気が合うわけじゃないけど、大事にしたいなって思う人たちばかりです」

 現在は夫婦ともに長野で暮らしているため、恋人とは全員遠距離恋愛中だ。

「本来幸せのカタチはみんな違っているし、それをきちんと自分で考えて、自分にとっていちばんいい道を探せばいいんですよ」(文月さん)

※女性セブン2018年7月19・26日号

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