ビジネス

うなぎパイと浜名湖だけじゃない、浜松は世界が認めた音楽の街

18~19世紀の管楽器を中心に、貴重な名器が多く見られる。『浜松市楽器博物館』にて

 浜松と聞けば、すぐにうなぎパイや浜名湖が思い浮かぶ人も多いと思われるが、ここは、今、音楽の街として世界に知られている。理由は、『ヤマハ』『河合楽器製作所』『ローランド』など、世界的に有名な楽器メーカーが、浜松に本拠地を構えているからだ。

「その歴史は、明治20(1887)年、日本楽器製造(現、ヤマハ)の創業者である山葉寅楠(やまはとらくす)さんが、市内の小学校にあった足踏み式リードオルガンを修理したことから始まります。当時、オルガンは貴重品で、小学校にあったオルガンも、アメリカから輸入された、大変高価なものだったのです。

 寅楠さんは、そんなオルガンを手の届きやすい価格で販売しようと、修理がてら構造を模写。彼の熱意と“やらまいか(やってみよう)”という浜松の精神が結びついて、オルガンづくりを始めたのです」(浜松市楽器博物館・青木隆行さん)

 その後、『ヤマハ』から独立した『河合楽器製作所』などが誕生。浜松市には楽器メーカーが集中するようになる。

 現在、浜松市を含む静岡県の楽器輸出量は日本一で、ピアノにおいては、年間3万台以上が海外に輸出されている。主な取引先は、アメリカ、中国、ドイツ、香港などだ。

「楽器博物館では、今は生産されていないリードオルガンや19世紀につくられた豪華絢爛なピアノ、世界各地の珍しい楽器、関連資料などを約1500点展示して、その歴史や仕組みなども紹介しています。

 その中の1つを紹介すると、アジアには、日本とよく似た楽器が多くあるのですが、例えば、日本の琵琶はもともと中国から伝わってきたもので、中国では“ピパ”と呼ばれ、形は少し違いますが優しい音色がするんです。そんなふうに、実際に楽器に触れ、歴史を知ると、新たな発見がありますよ」(青木さん)

 見ても聴いても心が豊かになる楽器。その楽器づくりや歴史に触れられる、ガイドツアーやギャラリートーク、ワークショップも好評だ。

※女性セブン2018年7月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン