芸能

帝王ROLANDはなぜ一滴も酒を飲まずにNo.1になれたのか

 まず、ROLANDは見た目からレベルが違う。オールドスタイルのオラオラ系ホストでもなく、韓流的なルックスでもない。ナニに例えればしっくりくるか……、うーん、漫画『ベルサイユのばら』のオスカルだな。ROLANDは、たぶん日本人のなかで最もオスカルに似ている。美しくウェーブした金髪、陶器のように白い肌、大きく美しい目、細身の鼻が完璧な配置で並ぶ。ただ、これは天然物ではなく整形して作られたもの。ROLANDは美容整形をしていることを隠すことはせず、バリバリ公表している。だから面白い。

“神セブン”と称される有名ホストが7人集まりトークをする動画で、話のテーマが「整形」となった。その際「俺、全然別の人だから~」とおどけてみせる余裕っぷり。他の動画では、ヒアルロン酸を注射している様子も公開していた。オスカルフェイスの構築費は1000万円を余裕でオーバーしているらしい。

 しかし、整形といったセンセーショナル話題はROLANDの本質ではない。他のホストに比べて、際立っているのは職業人として生き様。ROLANDの根本にあるのは「ホストという職業への偏見をなくしたい!」という熱き想いだ。

 ホストなのにROLANDはアルコールを飲まない。酒を飲めない体質というわけではなく、飲まないことを選択している。

「なぜ飲まないのか?」と聞かれれば「アルコールをすすってるホストになりたくない。お酒はいいものを適量飲むのが楽しいでしょ」と即答。酒を飲んでいない方がホストして最高のパフォーマンスを披露できることも理由だと続く。営業中に口するものと云えば、チェコで購入した高級グラスに淹れた、ワインボトル入りの水出し高級茶・ロイヤルブルーティーのみ。客からシャンパンが入ってもコールはなく、ただ耳元で「嬉しいよ」と囁くだけ。3000万のコニャック「レミーマルタン ルイ13世 ブラックパール」の注文が入った時もブレることない。満面の笑みで「ありがとう!」とボトルにキスをする。

 ノンアル営業だからこそ、自動車通勤も可能。ROLANDは、4000万円の愛車ロールス・ロイスで仕事場である歌舞伎町のホストクラブ『プラチナ本店』へと通う。新宿警察署はROLANDのノンアル営業を知っているらしく、検問もスルーだとか。

「(色眼鏡で見られる業界だからこそ)クリーンに見られるのは嬉しい」とROLAND。

 また、愛車ロールス・ロイスの助手席は驚くべき状態となっている。なんと! ヘッドレスト部分にはROLANDの直筆サイン。しかも、油性ペンで。

 常人には理解できない、この突飛な行動にもROLANDなりの哲学がある。自分がスターになれば、著名人のサイン入りロールス・ロイスには更なる値がつく。しかし、逆の場合はただの落書きが入った中古車に。ROLANDは「4000万円のロールス・ロイスに俺の名前を書いた時点でスターになる自信しかないから」と語る。ロールス・ロイスを世界一高い色紙と言い、誰も求めていないパーフォマンスを勝手に行う。一般人の模範を演じなくてはならないがゆえにタレントが縮こまるなか、ここまでぶっ飛んだことをしてくれるROLANDは頼もしい。

 ノンアル営業という特殊なスタイルで、年収3億円を超えを稼ぐだすのもの、このパフォーマンスゆえ。

 ROLANDは常人には考えてもつかない価値観を常に示している。そういった意味で、ROLANDは芸術作品なんだ。一見、落書きなのに100億を超える値段が付いている名画。あれは、誰も見たことがない世界観を見せたゆえに高額となる。

 アンディ・ウォーホールの版画も技術的には難しいことはない。ただ、一番最初にあのスタイルをから極めた素晴らしい。ROLANDも誰も見たことがないホスト像を表現し続けたから、最高なんだ。ゆえに、アルコールを口にしないこと自体にも価値が生まれる。

「アルコールを飲まない、エレガントな接客のROLAND様だから良い!」と女性客はときめく。そして、芸術作品『ROLAND』を愛でるのだ
名画のように。

「ホスト界最高のトークスキル」と称えられるだけあり、ROLANDから発せられる言葉にはパンチライン(ヒップホップ用語で「印象的な部分」の意味)多め。

 自信がないホストに対して。

「鏡とジャンケンして勝てると思ったことある? 俺勝てるよ、調子いい時。ホストはそれくらい自信持たなきゃ」by ROLAND

 客とのLINEが続かないと悩むホストへのアドバイス。

「俺は自分のLINEに自分で返すよ。『今日、寒いよね』と打って返信がなかったら、自分で『超寒いよね』って返す。右側だけでLINEを完成させる」by ROLAND

 東京タワーを背景に一足しかない仕事用の革靴を磨きつつ一言。

「『良い靴を履くと良い場所に運んでくれる』って言葉あるじゃん。ちょっと他力本願すぎない? 俺は良い靴を、俺様が良い場所に運んでやるって思っているから」by ROLAND

 すべり知らずの名言機製造マシーン。ROLANDから語られる仕事哲学はマジで勉強になる。

「良いスーツを着ていると、それが似合う男になるじゃん。ジャージばっかり着てると、ジャージが似合う男になっちゃうんだよね」by ROLAND

 ジャージを着て、この原稿を書いていたのでゾクッとした。

 ちなみに、現在公開されているROLANDの動画なかで唯一すべった箇所があった。最後にそれを記したい

 ROLANDの定宿、お台場の超一流ホテルのバルコニーにて。

スタッフ「これ以上に住むのに良い場所ってないですよね……」
ROLAND「トランプタワーかな?」
スタッフ「そういうレベルですよね……」
ROLAND「でも俺、ベルサイユ宮殿に行った時、観光じゃなくて、内見だと思われて」
スタッフ「はい……」
ROLAND「今笑うとこや」

 現代ホスト界の帝王は威風堂々しているが、どこか愛らしい。また、ROLANDは今年いっぱいでホスト引退すると名言している。独立し、自分がオーナーとなるホストクラブを“クリエイト”するらしい。プレイヤーではなく裏方に回っても、密着動画シリーズを存続を望見たい。by イチROLANDファン

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン