ビジネス

コネクテッドカー 今、慌てて購入する意味はあるか

LINEともつながるトヨタの新型クラウン(時事通信フォト)

 通信機能を持った自動車、いわゆる「コネクテッドカー」の開発が進んでいる。将来的には渋滞緩和や自動運転の実現にも役立つ技術として期待されているが、ユーザーの利便性はどれだけ高まるのだろうか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が解説する。

 * * *
 6月に発売開始となった、トヨタ自動車の新型車「カローラ スポーツ」と「クラウン」は「コネクテッドカー」が売りのひとつとなっています。

 両車は車載通信機器のDCMを全車に標準装備しており、万一の交通事故時に対応するヘルプネットや、スマートフォンでのLINE連携や、専用アプリを使ってクルマから離れた場所からの施錠やカーナビの目的地登録などが可能になっています。

 この先の自動車の進化を考えれば、いち早くコネクテッドカーに挑戦したトヨタの姿勢は流石というもの。しかも、高級車である「クラウン」だけでなく、大衆車である「カローラ スポーツ」にも通信機器を標準装備したのは英断と言えるでしょう。

 とはいえ、実際に利用できるサービスは、すでにある「T-Connect」の発展形のようです。購入から3年間は利用料金無料ですが、その後は有料。そうとなれば、全員がお金を払ってまで継続するかどうかといえば、けっこう微妙ではないでしょうか。

 調べものは自前のスマートフォンを使えばよいわけですし、クルマのメンテナンス状況やエコドライブの診断などは必要ないと考える人もいるでしょう。事故対応のヘルプネットはぜひとも欲しい機能ですが、それ以外はなくても困ることはありません。

 つまり、コネクテッドカーとして、「ぜひとも欲しい」というキラーコンテンツが、もう少しほしいというのが正直なところです。

 たとえば、コネクテッドでクラウドの力を使える=音声認識機能が強化されるわけですから、声でカーナビの目的地を探すだけでなく、エアコンやオーディオの操作、さらにいえば走行モードの調整、オーナーズマニュアルの読み上げなど、Siriやグーグルのように、声でできる操作を広げてほしいものです。

 また、クルマがWifi局になって、乗員のスマートフォンの通信を受け持ってくれれば、手持ちのスマートフォンの通信データ量が節約できます。また、クルマに乗ったら最寄りの店などの広告が表示され、その店に行けば割引が受けられるというサービスがあってもいいでしょう。とにかく、新しくて魅力的なメリットがなければ、通信費用を支払い続けるのが嫌という人もいるでしょう。

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン