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槍ヶ岳の診療所医師が教える登山で守るべき重要ポイント

油井直子医師

 まさに登山シーズン真っ只中。中高年を中心にアクティブな趣味として根強い人気があり、定年などをきっかけにハマる人も少なくない。ただ、60代以降は思わぬ落とし穴がある。

 60代になると、登山に必要な脚筋力・持久力・敏捷性は20代の70%にまで落ち込むという。

「事前に平地や低山でシミュレーションをしてほしい」──そう話すのは、北アルプス・槍ヶ岳の山荘、標高3060m地点に立つ東京慈恵会医科大学槍ヶ岳診療所で毎年ボランティア診療を行なっている医師の1人、油井直子氏だ。彼女自身も山を愛し、登山を趣味にする整形外科医。スポーツ医学が専門で、国際認定山岳医の資格を持つ。

 実際の登山に必要な荷物を背負い、本番と同じようにストックを使って長時間歩いてみる。体力のほか、膝や腰など、どこが一番先に痛むかで故障しやすい部位などもわかるという。

「山では荷物を背負って細い道を通る時など、バランス感覚も必要になってきます。ズボンを穿いたり靴下を履くときに片足でもふらつかないかチェックしてみましょう。その動作が難しければ、足場が悪い山は避けたほうがいい」(油井氏)

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