「いわゆるゲリラ豪雨は『高温』『高湿度』『上空の寒気の流れ込み』の3つが揃ったときに起こります。すでに温度は条件をクリアしており、海から湿った空気が入りやすい地域では、いつ起きてもおかしくない。警戒が必要です」(気象予報士の大野治夫さん)
最近、甚大な被害を出す極端な大雨が増えたと感じている人は多いだろう。たしかに気象庁のデータを見ると、1時間に80mmという激しい雨はおよそ30年前と比べると約1.5倍に増えている。危機管理アドバイザーの国崎信江さんが警鐘を鳴らす。
「快晴でも上流に局地的大雨が降ったことにより、川遊びしていた人が流されるなどの痛ましい事故も起きています。東京で荒川が氾濫すれば、地下鉄のトンネルに流れ込み、都心部の地下から水が噴き出すという最悪のケースも起こりえます」
自分の家の近くには大きな川がないから心配ない──そう油断してはならない。
「専門的には、川の氾濫を『外水氾濫』と呼びますが、都市で最も怖いのは、人の住むところの足元のマンホールから下水が噴き出してくるような『内水氾濫』と呼ばれる事態です。コンクリートやアスファルトで覆われた都市は吸水性がない。1時間雨量で50mm程度までしか排水処理能力がありません。もし80 mmの雨が降り続いたら、あっという間に冠水、浸水してしまいます。過去にはビルの地下街に濁流が流れ込んで溺死した例や、車道の立体交差で地下を通るアンダーパスが冠水し、水没した車の中で溺死した例もありました」(前出・国崎さん)
※女性セブン2018年8月9日号