国内

財務次官人事激震レポ 「外された灰色の本命候補」の復活

官邸一強支配の影響が色濃く反映した(時事通信フォト)

 モリカケ問題、財務次官のセクハラ、文科官僚の贈収賄……数々の不祥事を経て、霞が関の新たな幹部人事が決定した。人事一新で再生への道を歩み出せるのか。前途は大いに多難である。なぜならこの人事は、官僚腐敗の背景にある官邸一強支配の影響を、より濃く反映したものとしか見えないからだ。ノンフィクション作家の森功氏がレポートする。(敬称略)

 * * *
 ついに霞が関の定例幹部人事が決まった。内閣人事局による協議を経て、内閣府や総務省、法務省など15の政府機関の事務次官や局長を正式決定した、7月24日の閣僚会議(閣議)発表は、モリカケ問題で揺れた昨年7月4日からさらに3週間遅れだ。定期異動といいながら、普段よりふた月近くもずれ込んだことになる。

 遅れに遅れたそのタイミングもさることながら、異例なのは、それだけではない。これほど予想のつきにくかった官庁人事は、過去に見当たらない。その原因はとりわけ官僚トップを選ぶ官邸の思惑と各省庁の予定人事が食い違ったからだ。

 なかでも尋常でなかったのが、財務省の首脳人事だ。G20財務相・中央銀行総裁会議でアルゼンチンのブエノスアイレスに行っていた麻生太郎財務大臣が24日の閣議の出席に間に合わず、7月末の閣議まで持ち越されたのが事務次官人事である。財務省トップの事務次官とナンバー2の国税庁長官が空席という異常事態のなか、人事が迷走を極めてきた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン