『4千分の1の名将 新・高校野球学[関西編] 』(大和書房)
打倒・PL学園を掲げて大阪大会に挑んできた西谷監督にとって、PL学園の中村順司監督を始め、元常総学院の木内幸男監督や元横浜の渡辺元智監督は挑むべき大監督であり、そこに立ち向かう日々だっただけに、「甲子園に出たら、若手というイメージがずっとあった」という。年上監督とやる方が、「よーし!」と自然にスイッチが入ってきたのだろう。
だからこそ、「若い監督さんのほうが組みにくいというのは正直あります。若い監督の場合、いろいろな展開を想定しなくてはいけません。先にポンポーンと自分たちが離して、楽にいくようなゲームはなかなかありません」と、年下監督への苦手意識を吐露する。
怖いもの知らずの若手監督のチャレンジ精神は、過去の自分と重なり合う部分があり、無意識のうちに受け身になってしまうのかもしれない。
2年前の全国制覇について、小針監督は、「本当に負ける怖さがなくなり、堂々とやるだけという姿勢でした。その分日本一を求めて、練習はしていたと思います」と、野球に向き合う姿勢こそ、日本一の絶対条件だと言及していた。今回の大阪桐蔭戦も、攻撃的な姿勢で挑んでくるだろう。
これまで胸を借りるという姿勢で、春夏通算6度の全国制覇を成し遂げた来た西谷監督だが、100回記念大会の初陣で、年の差16歳の小針監督率いる作新学院を破り、深紅の大優勝旗に一歩近づくことができるのか。両軍のベンチの采配からも目が離せない。