『4千分の1の名将 新・高校野球学[関西編] 』(大和書房)

 打倒・PL学園を掲げて大阪大会に挑んできた西谷監督にとって、PL学園の中村順司監督を始め、元常総学院の木内幸男監督や元横浜の渡辺元智監督は挑むべき大監督であり、そこに立ち向かう日々だっただけに、「甲子園に出たら、若手というイメージがずっとあった」という。年上監督とやる方が、「よーし!」と自然にスイッチが入ってきたのだろう。

 だからこそ、「若い監督さんのほうが組みにくいというのは正直あります。若い監督の場合、いろいろな展開を想定しなくてはいけません。先にポンポーンと自分たちが離して、楽にいくようなゲームはなかなかありません」と、年下監督への苦手意識を吐露する。

 怖いもの知らずの若手監督のチャレンジ精神は、過去の自分と重なり合う部分があり、無意識のうちに受け身になってしまうのかもしれない。

 2年前の全国制覇について、小針監督は、「本当に負ける怖さがなくなり、堂々とやるだけという姿勢でした。その分日本一を求めて、練習はしていたと思います」と、野球に向き合う姿勢こそ、日本一の絶対条件だと言及していた。今回の大阪桐蔭戦も、攻撃的な姿勢で挑んでくるだろう。

 これまで胸を借りるという姿勢で、春夏通算6度の全国制覇を成し遂げた来た西谷監督だが、100回記念大会の初陣で、年の差16歳の小針監督率いる作新学院を破り、深紅の大優勝旗に一歩近づくことができるのか。両軍のベンチの采配からも目が離せない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“激太り”していた水原一平被告(AFLO/backgrid)
《またしても出頭延期》水原一平被告、気になる“妻の居場所”  昨年8月には“まさかのツーショット”も…「子どもを持ち、小さな式を挙げたい」吐露していた思い
NEWSポストセブン
露出を増やしつつある沢尻エリカ(時事通信フォト)
《過激な作品において魅力的な存在》沢尻エリカ、“半裸写真”公開で見えた映像作品復帰への道筋
週刊ポスト
初めて万博を視察された愛子さま(2025年5月9日、撮影/JMPA)
《万博ご視察ファッション》愛子さま、雅子さまの“万博コーデ”を思わせるブルーグレーのパンツスタイル
NEWSポストセブン
憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
尹錫悦前大統領(左)の夫人・金建希氏に贈賄疑惑(時事通信フォト)
旧統一教会幹部が韓国前大統領夫人に“高級ダイヤ贈賄”疑惑 教会が推進するカンボジア事業への支援が目的か 注目される韓国政界と教会との蜜月
週刊ポスト
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン