同じく今なお溌剌とした印象の持ち主として名前が挙がるのが、80歳を超えてもライブハウスで大いに歌い、ヨットで海に出る加山雄三(81)だ。『若大将のゆうゆう散歩』(2012~2015年、テレ朝系)では、悠然としながらも“ガシガシ”と街を歩く姿が印象的だった。
有名人でなくとも、身近に「この人は老いても盛んだな」と感じさせる人がいるだろう。彼らの共通点は何だろう。
◆心臓病も、認知症も
小泉純一郎と加山雄三の両氏には、「速歩き」という共通点がある。長尾氏はゴルフ場での小泉元首相の歩くスピードに驚いた。加山も、撮影のみならずプライベートでも歩く速度は速いのだという。加山が所有するボートに乗ったことがあるという知人の話。
「加山さんは私たちゲストがたじろぐような揺れの中でも、船内を悠々と歩き回ってお酒をついでくれるんです」
彼らの若々しさを裏付けるかのように、世界中の研究が「速歩きこそが健康に直結する」と示している。
2011年に発表された米国の研究では、男女3万4485人を対象に、歩行速度と余命の関係を集計している。
その結果、65歳の人の場合、速歩き(時速5.76km)の人の余命は約32年だった。65歳の米国人男性の平均余命は19.2年(米疾病対策センター、2011年)なので、速歩きの人は平均よりも約12年余命が長いということになる。
また、豪シドニー大学が約5万人の英国人について調査した研究では、ゆっくり歩く人に比べて速足で歩く人の死亡リスクは24%低かったとの結果がでている。