◆ウォーキングは「朝」より「夕方」
暑い時期は熱中症予防のため日中を避けて運動している人もいるだろう。実は、ウォーキングを「朝」にするか「夕」にするかでは大きな違いが出てくる。
健康にとってベストな時間帯は「夕方」だ。総合内科専門医で『長生きするのはどっち?』の著者である秋津壽男医師の話。
「人は体温が下がる時に寝付きがよくなるといわれています。そのため、夕方にウォーキングして体温を上げれば、夜に向けてゆるやかに体温が下がり、スムーズに眠りにつくことができます」
一方で「朝」には大きな落とし穴があるという。
「人間は就寝中に体温調整のために大量の汗をかくため、起床直後は体内の水分量が少なくなり血液もドロドロになる。この状態で運動を始めると、心疾患や脳卒中のリスクが高まるといわれています」(同前)
◆「1日1万歩」は歩き過ぎ
健康を維持するための目標となる歩数としてよく言われるのが「1日1万歩」だ。だが大規模研究でその効果は否定されている。
東京都健康長寿医療センター研究所が65歳以上の日本人5000人に対して行なった17年間の追跡調査では、1日8000歩が健康効果の最大値で、それ以上歩いても健康増進や病気予防にはほとんど効果がなかった。