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人はなぜ「ストーリー化」された情報を求めるのか

【事実の列挙】

 Aは、B株式会社がつくった健康食品です。有機農法により、ニンニクエキスを抽出しました。同社は、ショウガやシジミエキスなどの食品を販売してきました。「Aを飲んだら体調がよくなった」と、話題になっています。

 Aは、これまでに100万セット販売されており、同社の食品の中でも売上トップ3に入っています。

【ストーリー化された宣伝文句】

 Aは、B株式会社がつくった、とびきりヘルシーな健康食品です。B社が契約した専用農場で、こだわりの土と水を用いて丹精を凝らした有機農法により、大地のパワーがギュッと凝縮されたニンニクを育てて、そこからスタミナ満点のニンニクエキスを抽出しました。同社は、健康食品のパイオニアとして、これまでにショウガやシジミエキスなど、数多くの健康食品を販売してきました。

 同社が手がけた食品の中でも、特にAは大好評で、発売以来、「Aを飲んだら体調がよくなった」と、たくさんの愛用者の間で、大きな話題になっています。

 Aは、これまでに100万セット以上もの販売が記録されており、工場ではフル稼働の緊急追加増産体制をとるなど、同社のこれまでの数々の食品の中でも常に売上トップ3に入る大ヒット商品となっています。

 上記の2つの紹介文を見比べてみると、事実の列挙と、ストーリー化された宣伝文句では、だいぶ印象が違うのではないだろうか。

 ただし、ストーリー化には、注意すべき点がある。人は、一貫した論理的な話を聞くと、それをきちんと検証せずに、鵜呑みにしてしまう傾向がある。これは、「ストーリーバイアス」と呼ばれている。このストーリーバイアスにより、事実と異なることが人々に刷り込まれ、誤解が生みだされる可能性がある。

 それでは、ストーリーバイアスがどのように作られるのか、少しみてみよう。

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