「羽生選手が治療を受けているのは土川貴之院長です。彼は大学卒業後に鍼灸師の専門学校に入り直しこの道を極めた異色の経歴の持ち主で、日本で開業時に患者だったカナダ大使館の外交官に気に入られ、どうしても、と声がかかり、2011年にトロントで開業しました。ASTRは日本人整形外科医が考案した手技療法で、オステオパシー、整体、各種エステなどの手法が取り入れられています。
筋や筋膜、靱帯などの組織を押さえ、軽く伸ばした状態で関節を動かすことで、より効果的なストレッチを行うことができるというもの。慢性的な痛みに効果があり、しかも競技を続けながら治療を受けられるので、現役スポーツ選手に人気があります」(土川さんの知人)
ASTRに取り入れられている「オステオパシー」は、19世紀にアメリカのアンドリュー・テーラー・スティル医学博士が創始した治療法。
「オステオパシーは肉体的不調を治療すると共に、精神的不調も改善できるのが特徴です。日本では“東洋医学はエビデンス(根拠)がない”という認識もありますが、アメリカやカナダでは、オステオパシーの有資格者は他の医師免許と同等の資格者とされます。土川さんの治療院は地元の人からも人気で予約が取りにくくなっています」(トロント在住日本人)
新シーズンを目前に、土川さんの元を訪れる羽生の姿は頻繁に見られるようになった。
「従来の治療やケアだけではなかなか痛みが引かなくなってきた。そんななか土川さんを紹介されたそうです。異色のゴッドハンドの効果はてき面だったのか、以降彼の元へ通い始めました。羽生にとっては力強い味方でしょう」(前出・スケート連盟関係者)
土川さんは羽生の現状について、「守秘義務があるので顧客のことは一切話せません」と、答えるのみだった。
いよいよスタートするスケートシーズン。「異色のゴッドハンド」が、羽生の足を支え続けてくれることを願うばかりだ。
※女性セブン2018年9月6日号