ビジネス

鉄道の守護神の最新進化 「全方向踏切警報灯」とは

東邦電機工業の工場前に設置されている巨大な踏切

 遮断機が降りた状態が長時間続き通行が困難となり、慢性的な渋滞の原因や事故を誘発するとして嫌われがちな踏切は、近年はほとんど新設されず立体交差などへ作り替えられ、廃止される傾向にある。しかし、どうしても踏切を使わねばならない構造の地理もある。より安全で便利な踏切遮断機を目指して日々、研究と開発が行われている。ライターの小川裕夫氏が、その最前線、全方向踏切警報灯についてレポートする。

 * * *
 8月5日に放送された「車あるんですけど…?」(テレビ東京系)では、芸能界屈指の鉄道マニアとして知られる廣田あいかさんとななめ45℃の岡安章介さん、そしてナビゲーター役を務めた私の3人で東京・神奈川・千葉の踏切を巡った。

 踏切は線路と道路が交差する地点に設置されるが、2000年前後から、年100~200のペースで減少している。特に、東京や大阪などの都市部は政府・地元自治体・鉄道事業者の3者が協力して踏切除去に力を入れてきた。地方都市でも市街地では、踏切をどんどん廃止されている。

 一方、地形的に立体交差が難しいなどの事情で踏切が残されている場合もある。その場合、万が一にも事故を起こさせないよう、設置された踏切には安全対策がふんだんに盛り込まれる。

 近年、安全対策のトレンドになっているのが、全方向踏切警報灯への切り替えだ。それまで踏切の警報灯は、正面から見ることが前提にされていた。そのため、側道から踏切警報灯を確認することは容易ではなかった。しかし、側道から右折ないし左折して進入するような構造の踏切もある。

 正面からだけではなく、横からでも警報灯の点滅を確認できれば安全性はより高まる。また、側道から踏切に進入できる道路構造の場合、踏切警報灯を6灯設置する必要がある。全方向踏切警報灯なら、それが2灯で済む。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン