かつて、そういった女性に乗せられるままに浮かれて、苦い思いを味わった元高校球児の話をきいた。春夏の甲子園出場経験者で、現在は某社会人チームに所属するX選手(三十代)も、かつて球児を狙った「プロ彼女」に翻弄された一人。
「夏の甲子園でベスト8まで進出しましたが、宿舎には連日ファンレターが届きました。中にはメールアドレスや電話番号と共に、プリクラや写真まで入っていることもあって、仲間と“かわいい”とか“会いたい”とか盛り上がりました(笑)。大会中はさすがに会えませんでしたが、秋の国体の時も、宿舎の周りに追っかけの女性がたくさん来て、ファンレターをくれた女性と会いました(笑)。女性経験なんてほとんどなかったので、国体終わった後にすぐその女性と関係を持ちました」(X選手)
こうした出会いがきっかけで結婚したりする例もあるというが、X選手にファンレターを送った女性はかなり違っていた。
「別の甲子園出場チームの知人も、その女性と会うどころか付き合っている、と言っているのを耳にして驚きました。“え、お前のところにも?”みたいな。今は笑い話ですが、当時は相当へこみましたね……」(X選手)
自分にだけ好意を寄せてくれていると思っていた女性が、他校の選手にも同じように近寄って関係を持っていたのだ。ところが、話はそのときだけで収まらない。プロ彼女のバイタリティーは、X選手の想像を超えていた。というのも翌年、後輩が甲子園出場を決め、応援に赴いたところ、また件の女性が、別の学校の宿舎の周りをうろついていたのである。
「ビックリしたというよりゾッとしました……。聞けばかなり前から“高校球児喰いの女”ということで有名な女性らしく……。社会人チームに入ってからも、その女性の名前を出すと“あー知ってる!”と盛り上がることもあるくらい(笑)」(X選手)
やはり甲子園経験のあるYさん(二十代)も、プロ彼女にまつわるほろ苦い思い出がある。
「ツイッターでいきなり“ファンです”っていうダイレクトメール(DM)が来ました。まあ……そういう出会いを期待してDMを開放していたんですけどね(笑)。当時高校生ですから、積極的な年上女性からの誘いに舞い上がり、大会期間中も気になってしょうがない。チームは二回戦で負けて帰郷したのですが、それ以来彼女とは音信不通に。その後ベスト4に残ったチームの選手と付き合っていることが発覚し、死ぬほど落ち込みましたね」(Yさん)
前出のスポーツ紙記者も続ける。
「吉田投手はネームバリュー、実力ともに超一級で、ドラフト会議でも上位指名は間違いないでしょう。このタイミングで女性問題に巻き込まれては、高校の監督さんも、プロ野球のスカウト陣もたまったもんじゃない。SNSをやらせない、というのは確かにかわいそうかもしれませんが、彼は日本野球界の宝ですから」(スポーツ紙記者)
甲子園の大舞台に立ち、連日テレビや新聞に自分の一挙手一投足が報じられ、道行く人からも声をかけられる。いくら心身ともに鍛えられた高校球児とはいえ、いきなり国民のアイドルのように扱われれば、舞い上がってしまうのは仕方ない。そこにやってくる「プロ彼女」と呼ばれるような女性たち。ファン心理は理解できなくもないが、彼女たちの存在が球児の心を乱し、選手たちの将来に影響を及ぼさないとも限らないのだ。