国際情報

中国の空港「ラーメン1杯1400円」は高すぎるのか

牛肉麺の価格をめぐって一悶着(写真:アフロ)

 メニューの価格設定は悩みどころである。経済成長著しい中国でもトラブルは尽きない。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 空港や駅の「メシはまずい!」、そんな不満の言葉はかつての日本でもよく聞かれた。言外には、「黙っていても客が入る立地に甘えているから」という、競争原理にさらされない店への値踏みが込められている。

 同じように価格に対する満足度も概して低かった。また、そうした施設に出店できる特別な関係に甘えているといった指摘もあった。こうした事情は中国も同じである。いや、中国ではより問題が大きくなっているかもしれない。

 そんなことを思わせる記事を掲載したのは『山西晩報』(8月31日付)である。タイトルは、〈山西省太原の空港内のラーメン店が牛肉麵一杯88元?〉である。

 一杯88元といえば、日本円で約1425円である。まあ、競争の激しい地域であれば、よほどの特徴がなければ淘汰されることは間違いないだろう。

 だが、写真を見る限り普通の牛肉麵で、具として人参ときゅうりと青菜、そしてゆで卵が半分載っているだけだ。消費者の多くは、場所代を払わされたと思うだろう。

 記事でインタビューを受けた人々の反応も概ねそんなところだったが、記者に突っこまれた店主は、「ここは家賃が高い」と言い訳をする。

 ちなみに空港内で9店舗を経営するという店主の言い分は「最も高い場所では年間305万元(約4900万円)の家賃。街中で同じ面積なら60~70万元(約970万円~1130万円で済むのに……」というものだった。

 いずれにせよ記者はその後、飲食店の価格監視機構に通報したというから、店側も従来通りとはいかなかったはずだ。

関連キーワード

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン