貴乃花親方はかつて、「横綱の果たすべき役割」について、本誌の取材に「土俵で結果を出すことが一番の仕事。ファンの方々に感動してもらい、応援してもらえる相撲を取る。頂点に立つ横綱として強い相撲をお見せする。それによってファンに長い目で応援していただくというのが力士の本分です」と語っていた。

 土俵に立って結果を残すことが仕事──それは2001年7月場所からの7場所連続休場を経験した貴乃花親方だからこそ、強くこだわりを持つところだ。

 貴乃花親方の現役時代を知る関係者からは、稀勢の里に厳しい条件を課すべきとの声があがる。

「貴乃花親方の連続休場と、今回の稀勢の里を並べて論じる人もいるが、状況が全く違う。貴乃花親方は2001年5月場所の優勝決定戦で、ライバルの横綱・武蔵丸を破って22回目の優勝を飾った。その代償としてヒザの故障が悪化。本気で出場したいのに、相撲が取れないという状況だった。だからこそ、7場所連続の『全休』だった。

 一方の稀勢の里は、出場して負けが込んだら休むという『途中休場』が4回もある。ダラダラと延命を図っているといわれても仕方がない。休場が続いた当時の貴乃花親方が、場所中も黙々と稽古に励み、巡業でも周囲の目を気にせず泥だらけになっていた姿を、今の稀勢の里に見せてやりたい」(若手親方)

 またも途中休場に追い込まれたりすれば、「即引退」すべきという見方だ。

※週刊ポスト2018年9月21・28日号

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