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幕内力士を42人から24人に減らせば相撲はこんなに面白くなる

まさに完全ガチンコ勝負

 社会のいたるところに、あらかじめ定められた「数字」がある。普段は“前提”として気にもとめないが、その数字を少し変えてみると──実は社会を大きく変える“パワー”が生まれるかもしれない。例えば、幕内力士の人数を見直すとどうなるか。

 角界の700人弱の力士のうち前頭以上の幕内力士の定員は、2004年1月場所以降42人だ。好角家で芥川賞作家の高橋三千綱氏は、「幕内力士を24人にまで減らすのが理想」と改革を促す。

「前頭を東西8枚目までの16人に絞り、そこに東西2人ずつの横綱、大関、関脇、小結を加えた24人で場所をスタートします。加えたとしても、張出大関2人まで。協会は伝統を盾に改革に着手しようとしないが、減らしたほうが絶対に土俵は盛り上がる」

 高橋氏の言葉は熱を帯びる。

「今は幕内力士が多すぎるから、前頭下位の力士が下位同士の取組で白星を重ねた結果、優勝争いに絡んだり、そのまま平幕優勝したりする。それが面白くない。

 どんなスポーツでもベスト16からの争いが盛り上がる。そこで、場所中盤までに勝ちを重ねた16人と負けが込んだ8人を分け、そこからは上位16人で星の潰し合いにする。すべて優勝争いに絡む一番になるから、無気力相撲は一掃されますよ。早々に脱落した8人はサッカーのJ1とJ2のように、十両との入れ替え戦に回る。常に土俵に緊張感と競争意識が漂うことになるでしょう」

 まさに完全ガチンコ場所だ。

「また、NHKの1場所4億円とも5億円ともいわれる放映権料は魅力だとは思うが、それから脱却できないと根本的には変われない。NHKへの“忖度”で、夕方6時ジャストに取組が終わる昔のプロレスのようではダメ。八百長かと疑われてしまう。土俵が面白くなれば、国技館に見に行っているファンたちは、多少の時間延長くらい納得しますよ」(同前)

※週刊ポスト2018年9月21・28日号

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