僕と妻は、財布はもちろん通帳も別で、お互いの印鑑がどこにあるかも知らない。だから、そういったことに加えて、たとえば保険などもいつから加入していて、番号や名義はどうなっていて、受取人は誰なのかも緻密にわかりやすく書き出した。そのファイルはコピーをとって、夫婦で1部ずつ持っています。
65歳の時にはもうひとつけじめをつけました。個人事務所「にしきのあきら企画」のスタッフ全員を集めて、専務である妻が“スター錦野旦”の芸能活動について『75歳まではやらせる』、つまりあと10年は現役で頑張ると伝えました。目黒にあった事務所も退去して、妻が「錦野の財産に」と今の事務所(マンション)を買いました。
本当に芸能界を引退するかどうかは、いざ75歳になってみないとわからない部分もあります。65歳の時に“そろそろのんびりしよう”と思っていましたが、元気でしたしね。
ゆくゆくは事務所も処分して元気なうちに老人ホームに入りたい。夫婦の目標は(宝くじの)『ロト6』か『ロト7』で一等を当てて、有料老人ホームに入ること。今、目をつけているのは2人で2億9800万円のところです。
芸能界の大物の方々が奥様を亡くされた後に自宅で孤独に亡くなられたという話がよくあります。そういう方は、家の中では誰かとおしゃべりすることもなかったのではないかと想像してしまいます。一般の人だったら老人ホームのような場所でワイワイできたかもしれないけれど、プライドもあるのでなかなかできない。ところが僕にはそういう抵抗はないですからね。