「彼らはそれぞれ“自分が一番”という意識が強すぎるのか、一匹狼タイプが多く、チームプレーが苦手なようです。人を傷つけるつもりは全くないのでしょうが、思慮もなく見下した発言をして、周囲の人を傷つけることも少なくありません」
逆に人脈を生かすのが慶應の持ち味だという。
「慶應の場合同門OBというだけで、商談のきっかけになったりするんですよ。そこが東大の場合、エリート同士はむしろライバルになってしまいがち。出世ポストを競い合う関係ならそれも仕方ありませんが、ビジネスチャンスを失っているようにも見える」
“エリート大学”のポールポジションを巡る熱すぎるこの心理戦を、慶應と並ぶ「もう1つの私学の雄」はどう見ているのか。
早稲田大学は東大WGが答申を出す直前の今年6月、政治経済学部など3学部の一般入試で英語民間試験を必須化することを表明。“慶應寄り”の姿勢を鮮明にした。早稲田の鎌田薫総長は、政府の「教育再生実行会議」の座長を務めたこともあるだけに、政府主導の入試改革に積極的なのも当然といえるが、これによって「東大VS早慶」のバトルに拡大しそうな様相だ。
英語入試を巡る東大と慶應のバトルは収束の気配が見えない。受験生や未来の学生たちに白い目で見られるようなことにならなければいいが。
※週刊ポスト2018年10月5日号