芸能

13匹の犬を飼った西郷隆盛 NHK大河にもついに犬が登場か

犬の登場に注目が集まる『西郷どん』(公式HPより)

 9月30日に放送予定だった回が、台風のため10月7日に延期となったNHK大河ドラマ『西郷どん』。この回は、「江戸無血開城」が描かれる予定だ。今後は年末に向けて数多くの歴史的に重要な出来事が描かれていくが、実は注目シーンがまだあるという。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 そんなわけで、徳川慶喜(松田翔太)による大政奉還、坂本龍馬(小栗旬)暗殺、鳥羽伏見の戦いと、幕末の大事件、ドラマの見せ場が続く大河ドラマ『西郷どん』。薩摩や奄美大島で暮らした心優しき男・西郷が突如「戦の鬼」になってしもうて(つい、こんな言葉遣いになってしまう)びっくりである。

 個人的には、「慶喜の首をとる!!」「江戸総攻撃!!」と勢いづく西郷吉之助(鈴木亮平)に面会するため、ただひとりで堂々と敵陣に乗り込んだ旧幕府側の交渉人・山岡鉄舟(藤本隆宏)の破天荒ぶりをもうちょっと見たかったという気がするが、この鉄舟も含めて、旧幕府軍をビビらせた「錦の御旗」や篤姫(北川景子)も登場させるなど、ドラマの切り札を次々切ってきたなと思える。
 
 しかし、このドラマには「最後の切り札」が残っていることを忘れちゃいけない。それは、「犬」だ。上野の西郷の銅像が犬を連れていることは有名だが、西郷にとってワンコはとっても重要な存在だ。薩摩の盟友・大久保一蔵(瑛太)におゆう(内田有紀)がいたように、伊藤博文、木戸孝允ら幕末の偉人たちは、祇園で遊ぶのが大好きで、京都に女がいるのは当たり前。しかし、西郷は京都でもどこでも女性よりワンコ優先の生活だったという。

 料亭のお座敷にもワンコ同伴でうなぎも分け合い、にこにこ帰宅。かの鳥羽伏見の戦いから始まった戊辰戦争の最中にも、ちょこっと薩摩に帰って、ワンコと温泉に行っていた!? どんだけ犬好きなんですか。

 こんなエピソードがわかったのは、長年、犬についての歴史を研究している仁科邦男さんの著書『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか 西郷どん愛犬史』(草思社)を読んだからだが、明治7年には、なんと13匹もの犬を連れて、指宿の鰻温泉に出かけていた記録があることなど知ると、これはドラマで出てくるのか…出てきたら面白いけど、ここまでの緊張感が一気に吹き飛ぶのではと心配にもなってくる。

 維新後の西郷は、明治政府の一員としてよく働く。だが、大久保とも対立し、次第に政府内で孤立。仕事にも出ず、屋敷にこもりがちでどんどんメタボ体形になってしまう。そんな西郷にドイツ人の医師・ホフマンは、散歩を奨めたという。散歩といえば、ワンコ。西郷を救ったのは、犬だったのだ。

 そういえば、ドラマの鈴木亮平は、得意のボディ改造でどんどんガッチリ体形を作り上げて、二重あごになり、銅像のイメージに近づきつつある。ワンコ登場も近いはずだ。

 西郷は、最後の戦いとなる西南戦争の最中も、犬を連れて兎狩りをしていた。敗北を予感していた西郷の唯一の話し相手は、犬だったとの説もある。鈴木西郷どんが、どんなワンコを連れ、何を話しかけるのか。入浴シーンもアリ? まさか指宿で13匹と砂風呂? 愛犬家には見逃せないシーンになることは間違いない。なかなか出てこない「最後の切り札」に注目したい。

関連記事

トピックス

アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
センバツでは“マダックス”も達成しているPL学園時代の桑田真澄(時事通信フォト)
《PL学園・桑田真澄》甲子園通算20勝の裏に隠れた偉業 特筆すべき球数の少なさ、“マダックス”達成の82球での完封劇も
週刊ポスト
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン