ライフ

医師が語る「受ける意味がない」健康診断の項目

「必要のない検診」も少なくない(写真/PIXTA)

 誤解を恐れずに言えば、病気を見抜くための「検診」だって、病院や医師にとってはビジネスとしての側面もある。その検査が有効であってもなくても、たくさんの人が受ければ、それだけ儲かるわけであり、その儲けを追求する病院は、本当のことを教えてくれないかもしれない…。

 そこで数ある検診の中で、実は「必要ない」とされる検診を専門家に教えてもらった。専門家たちが異口同音に「要らない」と答えたのが「PET検診」だった。

 国立がん研究センター検診研究部の中山富雄先生が解説する。

「全身のがんがいっぺんに見つけられる画期的な検診としてもてはやされたPET検診ですが、実際には胃がんや膀胱がんなどの重要ながんが見つかりづらいばかりか、治療の必要がない小さな腫瘍を感知してしまう。不安を煽ったうえ、見落としも多いため受ける意味はない」

 体への負担も大きいと指摘するのは、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎先生だ。

「受診時に痛みや苦しさはないものの、放射線被ばくは避けられない。画像診断を詳細にするためにCTスキャンを併用すると、被ばく量はさらに上がります」

 採血と検尿だけでできるがんの検診とあって、人間ドックのメニューに取り入れられることも多い「腫瘍マーカー」も、中山先生は「罪作りな検診」と一刀両断。

「これも全然あてになりません。精度があまりにも悪い。がんでなくても反応してしまうことがあるのに、がんには反応しない場合がかなり多い。しかも、風邪をひいた程度でも上がる。実際はがんではないのに『人間ドックで受けた腫瘍マーカー検査が陽性で…』と悩む人が、毎日1人は外来診察に来ていました」

 一時期は胃がん検診の王道だったバリウムを使ったX線検査も、今や時代遅れになっている。

「もはやバリウム検査は大学病院など大きな病院では実施されていません。レントゲンで胃の画像を撮り、その画像を見てがんの有無を診断するわけですが、撮影の腕に左右される部分が大きい。実は、ピンボケの写真を撮る医師や技師もたくさんいる。その点は、胃カメラも同様の部分があるのは確かですが、今後は切り替わっていくと考えられます」(中山先生)

※女性セブン2018年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン