犯行時間はわずか3分。走り去った車の下では、発煙筒が煙を上げるばかりだった。
延べ17万人もの捜査員と約10億円の捜査費用が費やされた。容疑者リストに載ったのは約11万人。ヘルメットを被ったモンタージュ写真はあまりにも有名だ。だが、犯人は逮捕されることなく、事件から7年後に時効が成立した。
◆“真犯人”から本誌・週刊ポストにメールが
筆者の「白田」は、長年連れ添った妻を事故で亡くしたことをきっかけに、事件の真相を明かすことを決意したと綴る。
手記には「白田」とS、そしてそれぞれの恋人の4人が登場する。強奪計画はSと2人で立てたものだという。
実際の捜査でも、「S」と称される少年が有力な容疑者として捜査線上にあがっていた。だが、事件直後、青酸カリを飲んで死亡。自殺とも他殺とも言われているが、今でもこの少年が実行犯だったという声は根強くある。
一方、告白小説の中では、実際に決行したのは「白田」と、Sの恋人だった京子だったとされている。逃げおおせた「白田」と京子はその後結婚。今回告白を決意させたのは、共犯者である京子の死だったと説明する。
捜査のプロたちはどう読んだのか。元公安警察官の江藤史朗氏が明かす。