高血圧患者に対する治療が厳しくなる中で、「ゆくゆくは診断基準の改訂に繋がるかもしれない」(高血圧の予防治療を専門とする新潟大学名誉教授の岡田正彦医師)という指摘もある。
現在、日本の高血圧患者(140~/90~)は4300万人と推計されている。滋賀医科大学と厚労省がまとめた『NIPPON DATA2010』からその内訳をみると、血圧「140~159/90~99」では60~69歳の37.2%、70~79歳の41.0%、80歳以上の42.9%。血圧「160~179/100~109」だと60~69歳の13.1%、70~79歳の18.0%、80歳以上の13.3%。血圧「180以上/110以上」で60~69歳は5.4%、70~79歳の4.0%、80歳以上の5.1%を占めている。
現在の基準では高血圧に分類されない、血圧が「130~139/80~89」の人は、60~69歳の24.6%、70~79歳の20.9%、80歳以上では23.5%を占め、2000万人いるとされている。だが、もし将来的に「診断基準」まで変更された場合、その人数は6300万人となる。実に日本人の半数が“高血圧患者”となってしまう。60歳以上に限れば8割以上が「治療が必要」と見なされることになる。
※週刊ポスト2018年10月26日号