第2回では、「僕の方法論だけでは偏ってしまう」という小籔の計らいによって漫才コンビ、矢野・兵動の兵頭大樹の元へ3人は向かう。そこで、前回の課題である新しいエピソードトークを披露する。聞いた兵頭は「聞いてる人に画を浮かべさせんと」と助言、情景描写の強化を求める。続けて、話したいことを一言一句書き出して整理した方が良いと続く。そして、最後にお手本として披露したのが下記である。

「あの家で子供が2人おるんですけども、上が6年生、下小学校2年生なんですけども。あの家はみんな分からへんと思うけど、家帰ったらイチおっさんとしておもろないギャグとか言うんですよ。上の子に『それ取って』と言ったら取ってくれて。全然、面白んないで、家の親父ギャグやと思ってや。取ってくれた瞬間に『イッキューちゃうわ、ニキューちゃうわ、サンキュー』って言ったんですよ。そしたら上のがムチャクチャ真顔になって『パパ、“セン”までいくのムチャクチャ時間かかんで』って言われて。上の娘まさかのセンキューの方だったんですよ!」

 文字数にして250字強、一切無駄がない小話である。だが、兵頭によると更に凝縮できるという。

 最終回となる3回目では、2時間の生配信を決行。最終審査として、女子大生、東大生、マダム軍団の前で各人がエピソードトークを披露した。これを2時間見るのは辛かった。流石に編集なしで若手芸人の話を聞き続けるのはキツい。

 それでも小籔は、最後のコメントで「ちょっとは良くなったんではないかと」と語った(小藪は基本優しい)。ただ、視聴者としては思った以上に”ちょっと”の成長しか感じられなかったのが本音だ。また、被験者3人のなかには全く上達しない芸人もおり、彼から発せられるエピソードトークは最後まで無駄が多かった。たぶん、兵頭に言われたことも守ってない。「面白くなりたい」という欲が希薄なことも明確で、「この人はなんで芸人を目指したんだろう」と思った。しかし、門戸の広いNSCにはこういった人が山ほどいるんだろう。

「RIZAP」によって、ブヨブヨの肉体がマッチョに変わることを知っている。これをエピソードトークに置き換えた場合、若手芸人の話術が『人志松本のすべらない話』に出演しても遜色ないレベルまで上達。そんなイメージを持っていた僕は無知だった。

『笑イザップ』は、分かりやすい成長がないままヌルッと終わる。スッキリしないが、これがドキュメンタリー。番組を通して、笑いのスキルは肉体のように1ヶ月で変化しないことを学んだ。

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン