東京の城南エリアにある某マンションでは、管理組合を新築時以来35年以上も牛耳っている“ボス”がいる。肩書は理事長だったり副理事長だったり。どちらであっても、その管理組合を意のままに動かしている。
そのボスは自分が管理している管理組合の預金通帳を公開しない。通常、管理組合の総会には写しを添付した議案書を出す。区分所有者の多くは怪しいと感じているが、彼は様々な理由をつけて公開しない。
また、このマンションでは区分所有者が自己所有の住戸を賃貸に出す場合、入居者の審査を理事会(実質的にそのボス)が行う。ボスが気に入らない区分所有者の住戸では、入居者審査がほぼ通らない。近隣の不動産業者もよく分かっていて「あのマンションは買って住む分にはいいのでしょうが、賃貸は出せませんよ」という。
そういうボスが35年支配し続けているので、そのマンションの売買価格は周りに比べて3割ほど安い。これは区分所有者にとってはかなりの実害である。
現行の制度では、理事長の権限は巨大だ。新潟・湯沢エリアのあるマンションで15年以上理事長を続けていた人物が、実は約7億円を横領していた事件については、以前にもこのサイトで紹介した通り。
こんなケースもある。東京都心にある総戸数1200戸のあるマンションは、築35年にも関わらず購入時の価格の2倍で売買されていて、世間からはヴィンテージと目されている。しかし、管理組合の内部は揉め事だらけ。新築入居時から全体管理組合を支配している少数の人物たちが、このマンションをとことん私物化している。
このマンションの管理組合が1年間に執行する予算はおそらく3億円程度。これだけのお金を意のままに使えるとなると、これはもう巨大な利権だ。
またある都心のマンションでは、理事長を6年務める人物が、自分はそこのオーナーだと勘違いしていたようだ。気に入らない住人に対しては理事長名での「退去勧告」を乱発していた。