AV人権倫理機構が公表した文書

 現役の“職業AV男優”はわずか80名ほどしかいないとされる。当該女優と接触した男優が10人以上いたとなると情報が出回りそうなものだが、誰に聞いても「俺もわからない」と繰り返すのだという。別の男優もこう語る。

「伏せられていた1か月余りの間、全く噂にならなかった。僕が知ったのは22日の公表後、しばらく経ってからです。撮影に入る前にプロデューサーから『こういうことがありました』って言われたんです。

 いまのAV撮影は避妊具を着けないことも珍しくない。男優は毎月必ず自費で性病検査をして、“異常なし”という検査結果を提出しなきゃ仕事をさせてもらえない。梅毒に1度でも罹患すれば、根治しても仕事は激減します。僕らは個人事業主ですから、性病感染の疑いがある、というだけで廃業のリスクがあるんです。だから今回の件で女優と接触した男優も、表向きは『何も知らない』と言うしかないでしょう」

 メーカーや監督に直接電話で問い合わせる者もいた。

「だって感染発覚以降も撮影は普通に行なわれていましたから。接触した男優が別の女優と接触し、その女優と俺が接触しているかもしれない。自分の身は自分で守るしかないんでね。けど女優の名を尋ねても誰も答えてくれない」(中堅男優)

 今回のHIV感染問題の真相を知るAV関係者が匿名を条件に語る。

「感染したのは風俗店勤務を経て、最近デビューした女優で、所属する事務所の社長から『うちから感染者が出てしまった』と直接報告を受けました。女優は約10本の作品に出演しており、全て避妊具を着けた作品だったので、報告書に記載されているように感染は撮影以外の経由だろう。

 詳細が明かせなかったのは、万が一にも女優が特定されれば、出演作が全て世に晒され、そこに出ていた全員に迷惑がかかりかねないから。だから私もこれ以上詳しい話はできない」

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