国内

全米No.1女子高生母が語る子育てメソッド「3つの柱」

現在スカイさんは、NYにある名門校コロンビア大学に通う

 昨年、アメリカ・アラバマ州で行われた『全米最優秀女子高生』大会で優勝を果たしたスカイ・ボークさん。60年の歴史を有すこの大会はこれまで80万人近くが参加し、全米の女子高生が最も憧れる賞だ。そんなスカイさんを育てた母・重子さんは、「勉強しなさい」と言ったことは一度もないという。

 重子さんは、福島県出身。母親が英語塾を経営、まさに学力偏重主義の時代に育った。中学では常に学年でもトップクラスの成績を取っていたが、しかし成績が下がったことをきっかけに「一体何のために勉強をするの?」と心が折れてしまったという。

 大学卒業後、外資系企業に就職するも、「アートを学びたい」と29才で渡英。ロンドンの美術系大学院に入学し、修士号を取得。フランス語を学ぶために行った、南フランスの語学学校で、20才近く年上のティムさんと出会う。1998年に米・ワシントンD.C.へ移住し、結婚。スカイさんを出産した。

「点数が下がっても自信をなくさない、そんな子を育てたい。点数が下がったら『どうしたらもっとよくなるか?』を考えられる子に育ってほしい。そして『どんなときも自分自身で人生を切り開くことのできる、心の強い人間に育ってほしい』と願ったのですが、実際どうしたらいいのかはわからないままでした」

 重子さんは幼稚園探しを始めた。その中の1つ、見学した初等学校で、重子さんはショッキングな体験をする。

「4才の子供たちのクラスを見たのですが、ある子は寝そべって本を読んでいるかと思えば、別の子は指を使って算数をしている。りんごを使って計算をしていた子が、いきなりりんごを齧っちゃったり。日本の学校しか知らない私には、かなり衝撃的でした」

 かと思えば、同じ4才の子供たちがクラス全員で集まって座り、自分たちが守るべきルールについて意見を発表し合うところも目撃した。

「お経のように九九を丸暗記して覚えるのではなく、指やりんごを使ってでも、自分で発見し解決する思考力を身に着けさせる狙いがあったのです」

 これこそ、「非認知能力」を育成する教育だった。

 重子さんはこの幼稚園に通わせることに決めた。アメリカでも優秀な進学校として知られる、『ボーヴォワール』。毎日2回外遊びがあり、宿題は20分間の空想だったという。同校は小学3年生までは教科書も宿題もないのだが、高校卒業時にはそろって全米トップクラスの大学に進学、社会に貢献する志高い大人になっていく。従来の英才教育とは正反対の教育を受けながら、学力もつけていく子供たちに、重子さんは目を見張ったという。

「海外の富裕層で特別な話でしょう」「日本の一般家庭では無理」と思う人もいるかもしれない。だが、重子さんは否定する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
2人は互いの楽曲や演技に刺激をもらっている
羽生結弦、Mrs. GREEN APPLE大森元貴との深い共鳴 絶対王者に刺さった“孤独に寄り添う歌詞” 互いに楽曲や演技で刺激を受け合う関係に
女性セブン
無名の新人候補ながら、東京選挙区で当選を果たしたさや氏(写真撮影:小川裕夫)
参政党、躍進の原動力は「日本人ファースト」だけじゃなかった 都知事選の石丸旋風と”無名”から当選果たしたさや氏の共通点
NEWSポストセブン
セ界を独走する藤川阪神だが…
《セの貯金は独占状態》藤川阪神「セ独走」でも“日本一”はまだ楽観できない 江本孟紀氏、藤田平氏、広澤克実氏の大物OBが指摘する不安要素
週刊ポスト
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト