国内

訪日中国人に「女優」をあてがうインバウンドビジネスの闇

ツアー客目当てのインバウンドビジネスにも闇がある

 中国からの観光客による爆買い現象もピークを過ぎたと言われるが、あるサービス業では中国からのツアー客誘致がいまなお盛んだという。ネットにアリバイ動画をアップロードしてサービスを提供するインバウンドの新ビジネスについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
「女優にサービスしてもらったんだ。素晴らしい経験だったよ!」

 東京・新宿区の家電量販店前で顔をほころばせたのは、中国・杭州からやってきた江さん(四十代)。江さんの友人・宋さん(三十代)も、スマホの画面を筆者に見せびらかしながら、興奮冷めやらぬ様子でこう話す。

「日本人セクシー女優は中国でも大人気だ。ほら、このサイトに載っている彼女だ。実際は少し…薄化粧だったのは残念だけど、国に帰って友人に自慢ができるね(笑)」

 宋さんが見せてくれたのは、無修正動画などが無断で転載されている、違法動画サイト。そこに映っていた「彼女」が出演する動画には「初出演」「未亡人」などの日本語タイトルが記載されているが、女優名は載っていない。成人向け雑誌ライターの知人にも、件の「彼女」を見てもらったが、有名な女優ではないという。いったい何がどうなっているのか。都内のインディーズ系ビデオメーカーに勤めるX氏が解説する。

「中国の日本人女優人気に目を付けた連中が、中国人相手にデタラメなビジネスをやっています。地方の売れない風俗嬢などを連れてきて、中国人に“日本の人気女優だ”といってサービスさせる。ツアーは二泊三日で五十万円することもありますが、大盛況だそうです」(X氏)

 蒼井そらなどを筆頭に、日本人女優が中国で大変な人気を博していることは知られている。ポルノが禁止されている中国では、主に海賊版ビデオやDVDによって彼女たちは知名度をあげていた。近年では、違法サイトなどを通じて日本の動画を視聴する中国人男性が急増している。一部の人気女優は中国や香港、マカオなどに出向き、富裕層相手に様々な商売をしているともいわれているが、中間層の中国人男性の間でも“日本人女優”のニーズが高まり、このようなビジネスが日本国内でも横行しているのだという。

 X氏の会社にも、中国人向け旅行代理店を名乗る業者から同様の問い合わせが入ったことがあるというが、無論丁重にお断りをした。

「当たり前ですが、中国人観光客に女優を貸し出す、なんてことはしません。人道的に見ても衛生的に見てもダメ。では本当に、中国人観光客を相手にする女優がいるのかと言えば、まあ確かにいることはいるのですが…。中国人観光客は単純に騙されているということです、実際は」(X氏)

関連記事

トピックス

真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)千葉県の工場でアルバイトをしていた
「肌が綺麗で、年齢より若く見える子」ホテルで交際相手の11歳年下ネパール留学生を殺害した浅香真美容疑者(32)は実家住みで夜勤アルバイト「元公務員の父と温厚な母と立派な家」
NEWSポストセブン
今年の”渋ハロ”はどうなるか──
《禁止だよ!迷惑ハロウィーン》有名ラッパー登場、過激コスプレ…昨年は渋谷で「乱痴気トラブル」も “渋ハロ”で起きていた「規制」と「ゆるみ」
NEWSポストセブン
アメリカ・オハイオ州のクリーブランドで5歳の少女が意識不明の状態で発見された(被害者の母親のFacebook /オハイオ州の街並みはサンプルです)
【全米が震撼】「髪の毛を抜かれ、口や陰部に棒を突っ込まれた」5歳の少女の母親が訴えた9歳と10歳の加害者による残虐な犯行、少年司法に対しオンライン署名が広がる
NEWSポストセブン
新恋人A氏と交際していることがわかった安達祐実
《新恋人発覚の安達祐実》沈黙の元夫・井戸田潤、現妻と「19歳娘」で3ショット…卒業式にも参加する“これからの家族の距離感”
NEWSポストセブン
キム・カーダシアン(45)(時事通信フォト)
《カニエ・ウェストの元妻の下着ブランド》直毛、縮れ毛など12種類…“ヘア付きTバックショーツ”を発売し即完売 日本円にして6300円
NEWSポストセブン
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン