人々がピンチとなった時に助けてくれるのが、国や自治体だ。特に、病気になったときや、誰かが亡くなった時は、お金も必要となり、様々な助成制度が役に立つ。そこで、医療や介護、葬儀などに関する“お助け制度“を紹介する。
※参考文献/風呂内亜矢監修『最新版 届け出だけでもらえるお金 戻ってくるお金』(宝島社)
■医療費控除
金額:かかった医療費による
一般的には医療費が年間10万円を超えると利用できるイメージのある「医療費控除」。実は、その年の総所得金額が200万円未満で、家族の医療費合計が総所得金額の5%を超えていれば申請できる。
・手続き先
医療機関への支払い、通院交通費などを計算し、所定の用紙に記入したうえで、確定申告を。
■死亡一時金
金額:納付期間に応じて12万〜32万円
国民年金の保険料を3年以上納めた人が、老齢基礎年金、障害基礎年金の両方とも受け取らないままな亡くなった場合、遺族が申請できる。
・手続き先
国民年金加入者の死亡日から2年以内に年金事務所へ申請する。寡婦年金との併用不可。
■住宅改修予防給付
金額:改修費用によるが上限20万円程度
日常生活の動作が困難な65才以上の高齢者のための、バリアフリー改修工事の給付金制度。工事の対象は、階段やトイレ、風呂場などへの手すりの取り付け。段差の解消、開き戸から引き戸への変更、和式トイレから洋式トイレへの変更など。給付金は自治体によるが、改修費用の8~9割、上限20万円程度と定めるケースが多い。
・手続き先
自治体や地域包括支援センターで、対象となるか確認のうえ工事前に申請。調査・審査を経て給付が決定する。工事後の申請は不可。
■自治体ごとのがん治療の助成制度
金額:各自治体によって異なる
自治体によってはがん治療の助成制度がある。例えば、乳がんでは、医療用ウィッグや補正下着などの購入費を助成してもらえる。東京・港区では3万円か、購入経費の7割のうちどちらか低い額を助成。
・手続き先
各自治体の窓口に、領収書など必要書類を持って申請手続きを行う。申請期限があるので注意。
■葬祭費給付金制度&埋葬料・埋葬費給付金制度
金額:1万~7万円程度
死亡者の加入先が国民健康保険か健康保険かによって、どちらの制度を活用するかが異なる。葬祭費給付金制度は、国民健康保険の被保険者の葬儀代が支給される。金額が自治体によって異なり、1万~7万円程度。通常、火葬だけでは支給されないことも。
一方、埋葬料・埋葬費給付金制度は、健康保険の被保険者本人または家族が死亡した場合に、火葬だけでも支給。支給額は一律5万円だが、上乗せして給付する組合もある。
・手続き先
国民健康保険の場合、自治体の年金保険課、健康保険の場合、被保険者の所属する社会保険事務所または勤務先を管轄する健康保険組合で手続きを。
※女性セブン2018年11月29日・12月6日号