安倍退陣を待つばかり?(時事通信フォト)
「ポピュリズムの台頭が世界の潮流になっているのは、経済のグローバリズム化の結果、勝ち組、負け組がわかれたものの、既成政党のプロ政治家が解決策を示すことができないことが大きい。
国民が既存エリートに対して不信感を覚えると、不満を吸収するように、移民排斥や民族差別など憎悪感情に訴える素人政治家が登場し、場合によっては政権を取ってしまう。米国だけでなく、欧州もポーランドやハンガリーで政権を獲得し、イタリア、オーストリアでも連立政権入りした」
◆極右の「ミスターX」が出現
自民党が大量議席を得ているのは国民にとって「他に選択肢がない」という事情が大きい。「岸破義信」がコップの中の争いを演じている間に、強いメッセージ力を持つ《未知の政治家》が登場すれば、瞬く間に有権者の支持を吸収して台頭してくる可能性は十分ある。
事実、オバマ政権が2期目の折り返しを迎えた2015年初めの時点で「次の大統領がトランプになる」と思っていたアメリカ人はほとんどいなかった。
世界を見ると、選挙に勝つために必ずしも政治基盤は重要ではない。オランダのヘルト・ウィルダース党首率いる自由党は、党員わずか1人。党首がすべての公認候補を指名し、昨年の総選挙では立ち会い演説なし、ポスターも貼らず、メディアを敵に回してツイッターで国民に直接、「イスラム移民排斥」を訴え、なんと第2党に躍進した。