女優のりょうに「今回もよろしく」と話しかける

 細川が演劇の世界に入ったのは1985年。幼馴染の鴻上尚史に誘われたのがきっかけだった。ブレーク直前の劇団「第三舞台」を主宰していた鴻上は、細川を招いた理由をこう語る。

「第三舞台をビジネスとして観てくれる人は細川しかいなかった」

 演劇に全く興味がなかった細川は、使う劇場を大きくする、公演数を増やすなどして、冷徹な目で芝居のビジネス化を図った。その土台の上に、鴻上の社会批評眼と文学性、身体表現をフィーチャーした芝居がバブル時代の熱気や狂気とともに膨れ上がり、第三舞台は1990年代の演劇界を席巻した。

◆演劇を通じて雇用を産み出す

 だが時は流れ、鴻上との別れがやってくる。そんな傷心の細川に声を掛けたのが「劇団☆新感線」だった。

 1980年に旗揚げした劇団☆新感線は、いまでこそ日本初の客席が回転する劇場(IHIステージアラウンド東京)でのロングラン公演で、計70万人を集客するオバケ劇団となったが、元々は「大阪のアンポンタン学生劇団」(細川)だった。

 細川は劇団☆新感線をプロデュースするにあたって、作品の種類を整理し、より集客を見込める作品を多く上演するようにした。細川を迎えた新感線は、従来のお笑いギャグたっぷりの演目に加え、物語性が高いエンターテインメント作品の領域に踏み出す。さらに、劇団の外から人気俳優を招いて主演にキャスティングする方式を定着化させ、一気にファン層を拡大した。これまでの集客数は220万人にのぼる。

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