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これぞプロ! 田原俊彦が反応の薄い客を魅了したライブテク

ライブパフォーマンスには定評のある田原俊彦

 コンサートは、常にそのアーティストの大ファンばかりで埋まるわけではない。地方で久しぶりの公演となれば、大ヒット曲以外は知らない観客も多く集まる。その時、どうやって会場を盛り上げていくか。プロの歌手の腕の見せ所とも言えるだろう。

 8月25日の東京・町田市民ホールから始まった田原俊彦の全国11ヶ所に及ぶライブツアーは、11月2日の鹿児島・宝山ホールで幕を閉じた。『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の著書で、芸能研究家の岡野誠氏が11月1日の宮崎公演の様子をレポートする。

 * * *
 11月1日、田原俊彦は29年ぶりとなる宮崎公演を行なった。東京近郊で行なうライブと比べると、客層は60代や70代の比率が高いように見え、平均年齢も10~15歳程度上がっているように思えた。

 田原が姿を現し、1曲目の『海賊』でスポットライトが当たると、会場が沸く。ただ、通常であれば、観客が総立ちになる場面だが、6割以上は座ったまま見ていた。
 
 2曲目の『アントニオのBar』を歌い終えた田原は、恒例の「皆さん、こんばんは! 1、2、3、4、5、6、7、ハッピー!」という挨拶をした。

 ファンにとってはいつも通りの幕開けだが、そこは29年ぶりに降り立った場所。「1、2、3」の後に、何人もの観客が「ダァー!」と叫びながら拳を上げていた。その光景から、初めて訪れた観客が大半を占めていると推測できた。

 最初の2曲は、シングルのカップリング曲とアルバム曲。ファン以外には耳慣れない曲のためか、静観しながら見ている客も少なくなかった。

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