中京での12月の裏開催はGIチャンピオンズカップがあって実力馬の出走があり、リーディング上位騎手もピンポイントで参戦。また出走させる側からしても、左回りが得意だったりすると、満を持してこちらを狙ってくる関西馬が多い。栗東トレセンから近く、渋滞に遭うことも少ないという。

 今年中京競馬場ではこれまで3開催。そのうち1、3月は裏開催でそれぞれ6日間ずつ144レース、7月の8日間96レースは主場としての開催だった。1番人気の勝率・連対率は、やはり5%ほど裏開催が低い。6日間の2度の裏開催での馬連万馬券と三連単10万円以上の回数は、8日間の主場開催より多い。さらに、そうそうとれるものではないが、主場開催では一度もなかった百万馬券が、裏開催では5回も出ている。主場での単勝払戻額の平均は780円ほどだが、裏開催時のそれは1100円を超える。

 もちろん堅い決着にならないからといって、誰もが儲かるわけではなく、馬券検討は複雑化するのだが、それも競馬の楽しみ。外国人騎手が人気馬を人気通りに勝たせるばかりでは面白くない、という方は、遠征してみるのもいい。普段あまりお目にかかることのない若手騎手の思い切った乗り方を見たり、晩成型の上がり馬を見つけたりして、今後の馬券検討の役に立つかもしれない。何より、競馬場がある地域の雰囲気に触れるのも、競馬を長く楽しむ上では必要なことだと思うのだ。

●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

※週刊ポスト2018年12月7日号

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