吉原は歌舞伎町などの繁華街に比べ遠方からの利用者も多く、外国人客に対しても、ある程度寛容に門戸を開いてきた経緯がある。
「乱暴なことをされて女の子に辞められるのが、店としては一番痛い。今後は外国人客の受け入れについて、もう少し慎重になる必要があるかもしれません」
このほか吉原で取材を続けていると、ボーイたちからは中国人客に対する不満の声が多数聞こえてきた。
「冗談のつもりなのか何なのか、女の子の頭の上にタバコの灰を落としてきた中国人客もいました」
「とにかく値切りがひどいんです。ウチの店は1人8万円とやや高級な方なんですが、『3人で入るから1人タダにしてくれ』と。あきれ果てました」
だが、決して金がないわけではない。
「身なりを見ると、日本人よりずっと高いものを着ていますよ。服も靴も、何十万円もするブランドものばかり。あと、友人同士でお金の貸し借りをスマホでやっていたのが印象に残りました」
【PROFILE】西谷格(にしたに・ただす)●1981年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業後、地方新聞の記者を経てフリーライターに。2009年から上海に渡り、週刊誌などで中国の現状をレポート。近著に『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館)ほか。
※SAPIO2018年11・12月号