1983年『矢切の渡し』で日本レコード大賞を受賞。母親や長男も祝福

「“あなたはそのままでいいのよ”とすべてを肯定して、細川さんが気持ちよく歌えるように気を配っていました。それを人前でも徹底していたのには、頭が下がりましたね」(芸能関係者)

 1991年には“ふたりの故郷”である札幌に自宅と賃貸マンションを兼ねたビルを建設。ふたりとも郷里への思いが厚く、時間があれば北海道に戻る生活を続けていた。だが、今から7、8年前、和子夫人の体に異変が起きる。

「体調を崩して、入退院を繰り返すようになったそうです。5年ほど前には東京の自宅を売却し、和子さんは札幌に戻って療養生活。自宅ビルには細川さんの親族も住んでいたので、親族総出で和子さんの闘病を見守っていたそうです。細川さんも仕事がない時は札幌に戻り、和子夫人と一緒に過ごしていました」(別の芸能関係者)

 だが、細川の願いも虚しく、和子夫人は帰らぬ人となった。その事実は東京の芸能関係者はもちろん、地元の知人にも知らされなかったという。

「エレベーターの中がお線香のにおいがするな、と思った日が2、3日ほどあって…どなたかが亡くなったのかな、とは思っていました。でも、細川さんの親族のかたに聞いても教えてくれなかった。同じマンションの住民でさえ、奥様が亡くなられたことをまったく知らなかったんです」(細川のマンションの住民)

 徹底した箝口令。それも和子夫人の思いに沿ったものだった。

「“細川には仕事に私情を持ち込んでほしくない”というのが生前からの和子夫人の強い意思でした。特に11月下旬から年明けまでは、コンサートやディナーショー、テレビ出演など歌手にとって大事な“稼ぎ時”。自分の闘病や死が伝わることで、ファンがしんみりとした気持ちになったら申し訳ないと思っていたのでしょう。和子夫人はまさに“プロ中のプロ”でした」(前出・芸能関係者)

 そんな和子夫人への思いを胸に、細川は歌い続けている。

※女性セブン2018年12月20日号

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