「翼賛一家」メディアミックスは外地でも展開、台湾では「ニコニコ共栄圏」なるプロパガンダに合流するのも冗談でなく本当だ。作品としては何一つ見るべきものを残さなかったが、版権の統一管理は現在のメディアミックスの基本。メディアミックスの語自体、翼賛会周辺にいて後に「電通」などの中核になった人々が戦後使い出したことばなのだ。
だが、気づいてほしいのは、あの戦争の、あの体制は「素人」が「投稿」を通じて自ら動員される参加型ファシズムであって、何だかとてもよく似たものをぼくはwebで日々見ている気がする、ということだ。
※週刊ポスト2018年12月21日号