激戦地ムカデ高地で出会った子供たち
人懐っこい笑顔の子らに聞いてみた。
「君は学校で第二次世界大戦の歴史を学んだ? 日本兵についてどのような考えを持っているの?」
少年の一人はこう応えてくれた。 「日本の兵隊はみな勇敢で本当に強かった」
よもやこの地で、中学生ぐらいの子供からそんな言葉を聞けるとは思ってもみなかった。学校で、あるいは家庭でそのように教育している証左であろう。日本軍は憎しみの対象ではなく、それどころか、その戦いぶりが高く評価されていた。
私は驚いた。日米両軍が激戦を繰り広げたガダルカナル島で、日本軍がそのように評価されていたとは。
青年海外協力隊員としてこの島で活動する日本人男性もこう証言する。
「現地の人からは、『食糧が無いなか、あれだけアメリカ軍に徹底抗戦し戦ったジャパニーズアーミーは強かった』という話をよく聞きます」
同じく女性隊員もいう。
「ソロモンの人から、『なんで日本はあんなに強かったのに負けてしまったんだ』ということを聞かれます。当時の戦いを見たお父さんやお祖父さんから『日本人はソロモン人より小さいのによく戦っていた』ということを聞かされて育ったという人にも会いました」