ガダルカナル島ではいまも数多くの日本軍将兵の遺骨が、道路工事現場や建設現場、ジャングルなどで発見されている。私が訪れたときも、2日前に発見され収容されたという日本軍将兵の遺骨に対面した。遺骨を収容してくれたのは、ギフ高地にあるバラナ村のウィリー・ベシー村長だった。
「この遺骨は、先週の金曜日に私の息子ジョンがアラブクリークという場所で見つけました。そして私がここに運んで保管しております。遺骨と一緒に2つの鉄兜と水筒、それに認識票が見つかりました。それでこの遺骨が日本陸軍の兵士であることが確認できました」
◆自衛官に抱かれて帰国
現在、「全国ソロモン会」やNPO法人「JYMA日本青年遺骨収集団」などの民間団体が来島して遺骨収集を行い、全国ソロモン会の慰霊碑があるコカンボナのナナ村で荼毘に付し、日本政府が千鳥ヶ淵の戦没者墓苑に持ち帰っている。
全国ソロモン会理事で、長期駐在して遺骨収集を続ける西冨謙太郎氏はいう。
「私がガ島に来てはじめて丸山道(*注)に足を踏み入れて発見した最初の3柱の御遺骨にはたいへん思い入れがあります。その後2柱を発見して合わせて5柱を収容したのですが、そのときは重圧を感じました。どこに安置してよいかわからず、自宅の寝室に安置して祭壇を設けて御遺骨と寝起きを共にしたんです」
(*飛行場奪還のために正面から突撃した一木支隊は待ち伏せにあったため、次に第二師団は飛行場の背後をつくようにジャングルに道を切り開いた。師団長・丸山政男中将の名前にちなんで「丸山道」と呼ばれる。)